文章の合間を繋げるために活用する「接続詞」。
これを上手く使えれば流暢な語り口調のように文章を組み立てていけるので、とても格好良く見えます。
しかし、用途を間違えば日本語を覚えたての外国人のようになってしまいますし、欠落してしまえばカタコトみたいで幼稚な文章にもなってしまいます。
今回は、普段使うであろう接続詞の種類と意味を解説していきます。
接続詞の使い方に苦手意識のある方は、是非この機会に正しい使い方を身に付けてください。
Contents
接続詞の種類1.順接
意味:前の文脈の結果として、後の文脈を導くための接続詞。
【例:だから、そのため、したがって、その結果】
原因(根拠)の文章 接続 結果の文章
順接の例文
・お金が無い。だから、何も買えない。
・昨日はなかなかねむれなかった。そのため寝不足だ。
・日本は島国だ。したがって、海に面した地が多い。
・延長戦の結果、日本ハムファイターズが勝ちました。
接続詞の種類2.逆接
意味:前の文脈の流れとは相反する説明をしたい時に使う接続詞。
【例:しかし、それなのに、ところが、それでも】
対照の文章 接続 違う展開の文章
「接続詞」を「~のに」で置き換えられる場合は逆接のどれかを使いましょう。
逆接の例文
・私はブサイクで性格も悪い。しかし、異性にはかなりモテる。
・真面目に働いている。それなのに全くいい事がない。
・いつも必ず軒下には野良猫がいた。ところが、今日に限っていなかった。
・不況で国民の生活はますます苦しくなっている。それでも政府は増税を実施するだろう。
逆接は主張したいポイントをより強調できるようになる重要なテクニックです。
ぜひ自分のものにしてください。
接続詞の種類3.並列
意味:同じ要素の文章を追加したい場合に用いる接続詞。
【例:また、ならびに、および】
同じ要素の文章 接続 同じ要素の文章
使うとすれば「また」が一般的でしょうか。
この接続詞は使いやすいのですが、あまり多用し過ぎるとクドくなるので注意が必要です。
「ここは重要!」だと思っても、同じ内容なら反復はせいぜい一度で十分なので、『また』の使用は一つの文章に一度にしておきましょう。
並列の例文
・チョコレートは甘くておいしい。また、脳も活性化してくれる
・温泉に入ってゆっくりした。また、マッサージもした。
・お正月にはお餅を食べます。また、子供たちはお年玉をもらいます。
接続詞の種類4.添加
意味:前の文脈に別の物事を付け加える為の接続詞。
【例:そして、そのうえ、さらに】
前の文章 接続 別の物事
添加と並列は似ていますが、少し違います。
イメージとしては、「並列はイコール」、「添加はプラスアルファ」の文章を繋げると意識してください。
添加の例文
・たかしは家に帰宅した。そしてそのままベッドに潜り込んだ。
・彼は背が高い。そのうえイケメンだ。
・ただでさえ忙しいというのに、さらに新しい仕事を頼まれた。
接続詞の種類5.選択
意味:疑問文や問いかけ、何かの選択肢を投げかけた文章を繋げる場合に活用できる接続詞。
【例:または、もしくは、それとも】
選択肢A 接続 選択肢B
選択の例文
・電話、またはメールでご相談ください。
・ご来場の際は、必ず自動車免許証もしくはパスポートをご持参ください。
・あなたが見たのはAさんですか?それともBさんですか?
もし、口語的な表現で文章を展開していく場合、上手く取り入れることで一方的な情報の発信ではなく、読み手との対話感を出す事も出来ます。ぜひ、活用してみてください。
接続詞の種類6.説明・補足
意味:前の文章について説明や補足をしたい場合に使う接続詞。
【例:つまり、結局、たとえば、なぜなら、ただし】
話題の提示 接続 説明文
説明・補足の例文
・僕の姉は女性好き。つまり、同性愛者だ。
・あいつは死んだ。結局、全て無駄だった。
・夏には楽しいイベントが沢山あります。たとえば、海やお祭りに花火大会などです。
・今日の敗戦は無駄だと思いません。なぜなら、勝利以上の収穫があったからです。
・カフェインは眠気を覚ましてくれます。ただし、過剰な摂取は控えましょう。
この接続詞は重要です。
「私は●●だと思っています」
↓
「なぜなら●●だからです」
と繋がるように、自分の主張をする場合の結論が大抵この接続詞から始まるからです。ですから、ここが薄っぺらな作りだと内容も薄いと思われてしまいます。ましてや、自分の主張に対する説明が無いという文章なんて論外です。
接続詞の種類7.転換
意味:そろそろ話題を変えたいなという節に来た時や、例題をポンと提示したい時に使える接続詞。
【例:ところで、さて、では】
流れに沿った話題 接続 違う話題
転換の例文
・「A:これやっといて」「B:オッケー」「A:ところで、OKってなんの略?」
・本日のニュースは以上です。さて、明日の天気はどうでしょうか?
・これで会議を終了致します。では、宜しくお願い致します。
他にも、「突然ですが」や「そういえば」などもありますが、この接続詞については決められたタイミングというものがありません。
言ってしまえば、自分次第で使うタイミングを見計らう接続詞ですので、なるべく多くの記事を読んで使いどころを自分のものにしてください。
因みに、「突然ですが」は接続詞というよりも導入で扱われる事が多いです。
そのほかの「そういえば」や「ところで」は中盤以降、十分に話を展開した後でさらに違う切り口を見せたい時に使います。
当コンテンツでお伝えした接続詞の種類や使い方の一覧
接続詞の種類 | 意味 | 例 |
順説 | 前の文脈の結果として、後の文脈を導くための接続詞。 | 例:だから、そのため、したがって、その結果 |
逆説 | 前の文脈の流れとは相反する説明をしたい時に使う接続詞。 | 例:しかし、それなのに、ところが、それでも |
並列 | 同じ要素の文章を追加したい場合に用いる接続詞。 | 例:また、ならびに、および |
添加 | 前の文脈に別の物事を付け加える為の接続詞。 | 例:そして、そのうえ、さらに |
選択 | 疑問文や問いかけ、何かの選択肢を投げかけた文章を繋げる場合に活用できる接続詞。 | 例:または、もしくは、それとも |
説明・補足 | 前の文章について説明や補足をしたい場合に使う接続詞。 | 例:つまり、結局、たとえば、なぜなら、ただし |
転換 | そろそろ話題を変えたいなという節に来た時や、例題をポンと提示したい時に使える接続詞。 | 例:ところで、さて、では |
まとめ
いかがでしたか?
「何をいまさら」と思った方も多かったかもしれませんが、接続詞をおざなりにしていた方にはお役に立てたのではないかと思います。
ただ、今回挙げた例文は短文でのご紹介になってしまったので、長文での使い勝手が分かりづらかったかもしれません。
その場合は、ぜひ当サイトのブログを閲覧してみてください。やはり、接続詞の活用法をマスターする一番の近道は、多くの文章を読んで自分で理解するしか方法はありません。
苦手意識の自覚がある方は、読みやすい小説などでも構いませんので、一文字でも多くの文に目を通す事を心掛けてください。
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