コピーライターを名乗っているにも関わらず、文章で読者をウンザリさせてしまってはプロとは言えません。
あなたも経験はありませんか?
ほんの数ページしか読んでいないにも関わらず妙に疲れてしまったり、表現力に乏しい印象を受けてしまったり・・・
特に後者は小説等では致命的ですよね。表現力に乏しい文章の小説ほど読んでいてつまらないものはありません。
ストーリー主体の文章執筆というのは読み手の頭の中に1つの世界を構築する作業です。そうする事によって文章にのめり込ませることができます。逆に言うと筆者が伝えんとする世界観が頭の中で作られず、ただ単に「文章を読んでいる」という現実から抜け出せない時に読み手は「つまらない」と感じる訳です。
では小説ほど具体的な描写は必要ないとしても、少なからずストーリーが必要とされるセールスレターにも、この要素が関わってくるのはお分かりでしょう。
この「つまらない文章」のドツボにハマらない執筆手法について今回はお話していきます。
まずあなたの文章を、「つまらない文章」にせず、「つい先を読みたくなる文章」にする秘訣は、“文章のうるささ”を取り除く所にあります。
うるささの原因は助詞にある
文章がやたらとうるさくなってしまうその背景には十中八九、助詞、もっと絞り込んでいうと主観文章での「が」と「は」が存在しています。
この助詞の中でもとりわけ混同されやすい「が」と「は」について少し説明しておきましょう。
基本的に「は」は、既に読者が知っている言葉、もしくは文章の後ろに付きます。
次に「が」は読者が目にする新しい情報、これから説明を必要とする文章の後ろに付きます。
この2点の知識に注目して下の例を読んでみてください。
起業をお考えならネットビジネスがおすすめです。
私「は」ネットビジネス「が」初期投資や店舗を必要としないことから、初心者でも参入しやすく成功に手の届きやすいビジネスモデルであることを知っています。 |
今回は“私”の後ろについていますが、読者が“私”のことを知らなければこの文章自体はそもそも有り得ません。
「が」の使い方も「ネットビジネスが」のあとに「初期投資や店舗を必要としない」という説明と、「成功に手の届きやすいビジネスモデルである」という結果に触れていますよね。
うるさい助詞の使い方:例文
上記例文はとてもシンプルで基本に添った文章だと思います。これを偏った助詞の使い方をし、極端にうるさくすると以下のようになります。
起業をお考えならネットビジネスがおすすめです。
私はネットビジネス「が」初期投資「が」ゼロで済み、店舗「が」必要なく、初心者でも参入「が」しやすく成功に手「が」届きやすいビジネスモデルであることを知っています。 |
ここまで極端な例はプロの作家やライターの文章で見る事はできませんが、「が」を使いすぎる癖を持っている人は多いと思います。なぜこの文章が駄目なのかと言うと、先に述べたように説明の必要が生じているにも関わらず一切深い部分に触れていないからです。
敢えて偏った助詞の使い方で及第点レベルの文章を書く場合
もしこのように「が」を多用して基本レベルの文章執筆をするなら・・・
私はネットビジネス「が」初期投資「が」ゼロで済み、店舗「が」必要なく、初心者でも参入「が」しやすく成功に手「が」届きやすいビジネスモデルであることを知っています。 ↓ ネットビジネスの(ここは「が⇒の」にしなければ日本語レベルでNG) 初期投資「が」ゼロで済む理由は○○だからです。 次に初心者でも参入「が」しやすい最も大きな理由については○○が挙げられます。 以上のことからネットビジネスは成功に手「が」届きやすいビジネスモデルであることを私は知っています。 |
無駄に文章を引き伸ばしている感が出てしまいますが、最低限でも本来はこのように執筆しなくてはなりません。
つまり、「説明⇒読者にとっての答え」となる訳ですが、「が」を使い過ぎ、さらにそれに対する説明に全く触れていない場合、問題ばかりを切り出し、答えについては一切触れていない不親切な文章という印象になるのです。
もちろん問題提起の必要性があるセールスレターにとって「が」は使い方次第で非常に有効に働きます。
しかし一度に幾つもの問題と答えをぶつけられると読者は疲れてしまいますよね?
1つの文章の中で、後に最もフォーカスしたい言葉の後ろに「が」を使う事。そして問題提起にしたくない言葉の後ろの「が」は他の助詞や言い回しに変える事。この二点を心がけるだけでかなりスムーズになると思います。
では次はセールスレターにおける「は」の使い方についてご説明していきましょう。
助詞「は」の使い方:主語と述語を近付けた時の意味が重要
「が」と同様に最も使用頻度の多い助詞である「は」。
この「は」の使い方が適切であるかどうかは主語と述語を近付ければすぐに分かります。
ここでも前項の例文を使ってご説明しましょう。
私はネットビジネスが初期投資や店舗を必要としないことから、初心者でも参入しやすく成功に手の届きやすいビジネスモデルであることを知っています。 |
この例文を前回私は、「シンプルで基本に添った文章」と言いましたが、セールスレターでこういう書き方をするか?と問われるとNoです。なぜかと言うと、私「は」、の部分で既に若干“上から目線”の文章になってしまっているのですね。
この場合、主語が「私」、述語が「知っています」となりますが、自分の経験則から文章を執筆するなどのケースでは、主語と述語の距離が遠すぎるとこういうことが起こります。
事実、この文章を単文で見たとしても、
ネットビジネスは初期投資や店舗を必要としないことから、初心者でも参入しやすく成功に手の届きやすいビジネスモデルとして知られています。 |
このように修正した方が読み手としても嫌な気分にはならないですよね。
「私は知っています」と言われても読み手にしてみれば「あぁそうですか」という以外にありません。つまり、執筆者が知っている深い内容を十分に共有できていないことにより認知度に温度差が生まれてしまうのです。
この温度差が生まれるタイミングの影には、やはり主語の後ろにつく「は」の存在があります。
◆ どこか偉そうな文章になっている
◆ 読み手の信頼を得られないような気がする
◆ 説得力に欠けている感がある
上記のような印象があるなら「は」の部分に注目してみてください。
では、先ほどの例文を「だからこそ今回の商品を公開しています」に差し替える場合どうすればいいのか?
ということですが、ここで使うのがストーリーです。
私はネットビジネスが初期投資や店舗を必要としないことから、初心者でも参入しやすく成功に手の届きやすいビジネスモデルであることを知っています。 ↓ ◆ 初期投資ゼロ、自宅でネットビジネスに取り組み・・・ ◆ 初心者だったにも関わらず成功を手にした |
上記の2点に関するストーリーを導入することによって“上から目線”はなくなり、「私は知っている」ということを自ら言うまでもなく、「この執筆者は知っている」と読み手に伝えることができるのです。
まとめ
いかがでしたか?
助詞といっても、
「格助詞」
「並立助詞」
「副助詞」
「係助詞」
「接続助詞」
「終助詞」
「女性特有の終助詞」
「間投助詞」
「準体言助詞」
と、これだけの種類があり、全てを理解しようと思うと非常に大変です。
セールスコピーライターとしてはまず最低限「は」と「が」の使い方を知り、そこから他の助詞に対する理解を深めていけばいいと思います。