文章を書き終わったら必ずやらなければいけない事があります。
それが「推敲」 です。
ちなみに推敲とは、文章をより良いものにする為に見直し、磨いていく作業の事です。
推敲の言葉の由来ですが、
唐代、都の長安に科挙(官吏の登用試験)を受けるためにはるばるやってきた賈島は、乗っているロバの上で詩を作っていた。その途中、「僧は推す月下の門」という一句を口ずさんでから、「推す」のほかに「敲く」という語を思いついて迷ってしまった。
この話は興味深いので、全文をお読みになりたい方はこちらでご覧下さい。
では早速、本題に入っていきましょう。
Contents
推敲は、ただ間違いを直すだけではない
コピーライティングにおける推敲とは自分の書いた文章を見直し、おかしな点はないか?狙いがキチンと伝わっているか?テクニックは適切に使われているか?をチェックする事を指します。
推敲の難しい所は、自分の文章だと客観的に見る事が難しいという所にあります。最高にいい文章を書けたと自分では思っていても、他人から見ると単なる「読みづらい文章」になってしまっている、なんてことも頻繁にあります。
書く時は勢いが大切、この感覚はおそらくあなたも分かると思います。
ゆっくりと時間をかけて書くよりも一気にバッと書き上げたほうが文章としてまとまる事が多いもの。時間を空けるととムラが出たり、同じ事を繰り返し書いてしまったり、時として指が動かなくなる事もあります。
書きながら「問題がありそう…」と感じたとしても、まずは最後まで書ききった方がいいです。
そうすると間違いなくおかしなポイントが生まれますから、それを直すために推敲という手順を使うのです。
最も良い推敲方法とは?
これは間違いなく「他人に読んでもらうこと」です。
友達や家族に作ったメールを読んでもらい、その文章の感想を言ってもらいます。
「何が言いたいかわかるか?」
「文字の使い方に変な癖がないか?」
「リアリティがあるか?」
「信頼性があるか?」
など、様々な観点から書いた文章がどうであるかを見てもらうのが一番いい方法です。
多くの場合、その人の意見はかなり有益なものになります。
しかし商売用のセールスコピーの場合は他人には見せられないということも往にしてあるはずです。そういう場合に使えるテクニックをいくつかご紹介します。
基本の推敲テクニック5つ
1:作ったメールを自分に送る
ステップメールを推敲する際に、自分で作ったメールを一度自分に送信してみましょう。
結局自分の文章を読むわけですから何も変わらないと感じる方もいるかもしれません。でも効果は抜群です。
2:声に出して読む
目だけで文字を追って見返すだけでは、注意して読んでいるつもりでもいつの間にか速読になってしまいます。
ですので、確実に一文字ずつ確認できる方法として手っ取り早いのはやはり「声に出して読む事」です。
声に出して読めば誤字だけでなく、文章の流れなども確認できますので一石二鳥です。
眠い時や疲れが溜まっている時などは集中力が落ちているので、なるべく確認する時は音読を心掛けましょう。空いた時間や通勤、通学などの時間を利用すると良いと思います。
また、声に出して読む推敲チェックが特にオススメなのがメール文章です。ライティングの中でもメールライティングは最も口語体に近く、読み手にとって身近なツールです。
そのメールの文書が声に出して、読みづらい箇所があるようでは完成された文章とは言えません。声に出して読んでみてスムーズに、なめらかに読めるか?これはメールライティングの仕上げとしては欠かせない推敲の仕方です。
3:時間をあける
もう一つの有効な方法が時間をあけることです。
これを「文章を寝かせる」とも言いますが、この方法も役にたちます。
書いた後にすぐに読んでも、まだ書いた時の気持ちが心の中に残っていますから、章を客観的に読むことは出来ません。
数時間、できれば数日をおいて改めてその文章を読み直すことです。
そうすると多くの場合でその文章の欠点が見えてくるはずです。
4:誤字・脱字チェック2:Wordの校正機能を使う
『Word』の機能には文章を校正してくれる便利な機能があります。
手順は以下の通りです。
まず、「校閲」タブを選択
次に、「スペルチェックと文章校正」を選択
例えば、この機能で以下のようなミスを検出してくれます。
■誤変換
■スペルミス
■助詞の欠落
■くだけた日本語…etc
また、ネット上でも無料で文章を校正してくれるツールがいくつかあります。
以下に2つほどご紹介致しますので、ご興味のある方は参照してみてください。
◆日本語校正サポート
http://www.kiji-check.com/
◆Enno
http://enno.jp/
もちろん、これらの校正ツールは全ての誤字脱字を検出してくれるわけではありません。
これらの機能は最低限のサポートと考え、最終確認をするのはあくまでも自分である事を忘れずに校正作業を行ってください。
5:間違えやすい誤字をメモする癖をつける
繰り返し文章を書いていくと、「また同じところを間違ってしまった」という箇所が出てくる筈です。
それはあなたが見落としやすい弱点ですので、3回以上同じようなところでミスしていると思ったら忘れずにメモしていきましょう。
例えば…
■人名や地名などの固有名詞
■年代や価格などの数字
■句読点の付け忘れ …
などが危険な所でしょうか。
人名の誤変換はなかなか気づきづらいので念入りにチェックしないと後から「しまった!」という 事態になりがちです。
早くそのような凡ミスから卒業する為に、小さな努力を一つ一つ積み重ねていきましょう。
※読み直す際のチェックポイント
では次に読み直しをする際のチェックポイントをまとめます。
1.文法的なチェック文法的に正しい文章を書くことは、プロとしてコピーを書く上での最低条件です。文法的なミスがある文章は、読み手に「教養のなさ」「学力のなさ」をさ け出すことにもなりかねません。 もちろん「教養」「学力」がないと思われたら、セールスコピーライティングで最も大切な信頼関係は作れません。必ずチェックを行ってください。 2.文体のチェック必ずしも徹底しなければいけないというわけではありませんが、できるかぎり守った方がいいルールがあります。それが文体のチェックです。 例えば、 「読点」を適切な位置に書いているか? 「です・ますと、だ・である」が混じっていないか? 「口語」が混じっていないか? 「同じ表現、同じ言葉の多 様」は無いか? 読み手のわからない言葉を使っていないか? などです。 3.勘違いをしていないか?文章を書く時、勘違いをしてしまうことが頻繁にあります。時にはずっと前から間違えて覚えていた漢字、ことわざ、表現の仕方など。またうっかりミスもここに含まれます。 読み手はあなたの書いた文章でしかあなたを判断できません。もしその文章にミスが多く含まれていたら…、あなたが読み手ならどう思うでしょうか? 誤字脱字、パソコンの変換ミス、事実の誤認など、簡単な事だけど間違ってしまうことは頻繁にあります。 |
最後にもう一度チェックし、自分にメールを送る
これは納期に余裕がある場合でしか使えないテクニックですが、時間を空けてから文章を確認した方が確実に精度は高まります。なぜなら、執筆直後に見直しをする場合、まだ執筆時の印象が残っていますので、読み飛ばしてしまう可能性があるからです。
更に、疲労のせいで無意識のうちに入念な確認を怠ってしまう事も考えられます。
その点、翌日に見直し作業を行えば、時間が空いている分脳内がリセットされ、しっかりと確認作業が行えるようになれます。
また、どうしても時間が取れない場合は食事や移動時間など、一度文章から離れる時間を挟むだけでも効果があります。
なので上記のチェックポイントに沿って推敲をかけ、原稿修正を加えたら、最後にもう一度自分のメールアドレスにメールを送ります。これは最終チェックですので、確実なものとして、次のステップへと進みましょう。
この最終推敲のチェックポイントは5つです。
1.欲張っていくつものことを書いていないか?
主題は一つに絞ることが原則。欲張ってたくさんの事柄を書くと、最も伝えたい部分がぼやけ、何を言いたいのか、何を伝えたいのかが全く分からなくなってしまいます。
文章が支離滅裂になっていないかをもう一度チェックしましょう。
2.構成はキチンと整っているか?
話しが途中で大きく脱線していないか?
途中でズレた事を言っていないか?
きちんと起承転結に沿っているか?
などをチェックして下さい。
3.具体性があるか?
具体的な説明がないと、読んでいる人は文章が頭に入りません。
なので具体性の不足している箇所がないかを探します。
わかりにくければ説明や例を加え、説明がしつこすぎる場合は、文章の削除を行います。
4.書き出しにインパクトがあるか?
書き出しが上手く行っているかどうかは、セールスコピーライティングの成否を決める重要ポイントです。
興味を引きながらも自然と頭の中に入ってくる文章になっているか?
客観的な視点から、その書き出しが面白いかどうかを考えてみて下さい。
5.リアリティはあるか?
文章が本当らしく感じるかどうか?
「うそくさい」「信頼性にかける」「信憑性が薄い」と感じないか?
またそう思う箇所は無いか?
少しでもその可能性のある箇所には加筆修正を加えて下さい。
まとめ
いかがでしたか?
ミスは誰にでもあります。どんなにベテランになろうと、凡ミスはします。しかし、一向にミスの頻度が減らないのはただ単に努力が足りないというだけに他なりません。特に、文章でお金を稼ぐ者にとって、誤字脱字が減らないのは死活問題です。
たかが一か所の誤字と思うか、されど一か所の誤字と思うかで今後のあなたの成長スピードは変わるでしょう。
ぜひ、今回のチェック方法を参考にして執筆作業に励んで頂ければと思います。
それではまた!