今日は「文章が死ぬほど苦手。何をどう書けばいいのかさっぱり!」というライティング初心者が、理路整然とした文章を作り上げていくための方法を具体的にお話していきます。
順序良く学習していくことで、全て読み終わる頃には「どのような文章を、どのポイントに気をつけて書けばいいか」が分かるようになり、他人から褒められるレベルの文章が書けるようになるはずです。
Contents
第1章:文章力向上のための「書き方」5つのルール
1・良い文章か悪文かは書き始める前で8割決まる!
まず今後様々な文章を執筆することを考え、文章を書く前のルールをきちんと理解しておくことがとても重要です。
意識しなければいけない点は二つです。それは、
その①:どんな文章でも、読む人が必ず存在する
その②:今から、自分が書こうとしている文章は誰に向けたものか理解する
ということです。この記事を読んでいるあなたは、何かしらのスキルアップを図ろうとしている人だと思うのですが、これはつまり「日記ではダメですよ」という意味です。
日記は自分のルールで、自分の言葉で、自分が満足できればOKです。そこで読みづらい表現や漢字があったりしても問題はありません。ただ、「誰かに読ませる」となれば話は180度変わってきます。
ポイント1まとめ:「自分視点」ではなく「相手視点」で書く
誰かにあなたの書いた文章を読ませる場合は、常にこの視点を忘れてはいけません。「漢字」「英語」「言い回し」「あれ、それ言葉」「てにをは」難しい言葉」など、文章には色んな言葉が出てきますが、【相手も瞬時に理解できる言葉】を常に選ばないと意思疎通が取れないということです。最も重要な部分ですから絶対に忘れないで下さい。 |
2.文章の種類は、「たった3つ」だと認識する
簡単に文章を種類を分けるとするならば、読み手は3つに分けることができます。
1)書き手と読み手がイコールの場合
2)書き手と読み手は異なるが、了解・認識が共通している場合
3)書き手と読み手が全くの別人の場合
簡単に説明をしていきます。
1)書き手と読み手がイコールの場合:「書き手=読み手」
このパターンの代表的な文章が前ページでお話した日記です。またはメモ、ノートなどがここに該当します。認識されている通り、この種類の文章はどのように書いても、どのように表現しても書き手の自由、つまりあなたの自由ということです。
2)書き手と読み手は異なるが、了解が共通している場合:「書き手≒読み手」
このパターンは同僚や仲間内で「例の件」などのように、説明することなく伝わる文章のことです。あらかじめ関係がすでにできている場合は、このパターンにあたります。言葉使いに気を使う必要は全くありません。
3)書き手と読み手が全くの別人の場合:「書き手≠読み手」
文章を作成する場合、ほとんどの場合がこれにあたります。メール、セールスレター、ブログ、サイト、ニュースレター…etc ほぼ全ての文章が3)の他人に向けた文章に該当します。文章のみでしか、書き手のことを伝えることができない状態です。
ポイント2まとめ:「文章の向こうには人の目がある」を忘れてはいけない
あなたが、これから書こうとしている文章の大部分が第三者に向けた文章であるということをもう一度認識してください。ライティングに慣れていない人であればあるほど、無意識に「書き手≒読み手」の感覚で文章を書いてしまいがちです。 最初はどんなに「書き手≠読み手」を意識していてもです。人間は、自分が分かっていることや知っていることは、相手もわかっていると考える生き物です。 分かりやすい文章・いい文章を書くコツは、状況に応じ客観的に、誰が読んでも理解出来るように言葉を選ぶことを心がけないといけません。このことはあなたも「言われるまでもなく当たり前」だと思うかもしれません。 しかし、どうしても一人で練習をしていると無意識に忘れてしまうものなのです。 「文章の向こうには人の目がある」この言葉を忘れないようにして、相手にどうしたら理解してもらうかを工夫し続けることがポイントです。 |
3.常にセンテンスを短くすることを心掛ける
文章にテンポを出し、全体を軽快なリズムで気持ちよく読んでもらえるにはどうしたらいいでしょうか?
そのコツは、一文一文を短くすることです。だらだら長い文章にせず簡潔な文章にすることです。
長くしないためには、ひとつの文の中で、 「~ので」 「~だけど」 「~だから」 という言葉を使わないようにするだけで、文章は短くなります。この方法はとても効果があるのでぜひ心がけて下さい。
短い文章で分かりやすく伝えるテクニックとして、最初から「」を使用して会話からスタートさせる書き方をご紹介します。
「まさか本当に2週間で4キロも痩せると思いませんでした」
これは、この方法を実践した○○さんの言葉です。 |
コツを掴むと簡単に実践出来るようになります。是非お試しください。
ポイント3まとめ:「文章は常に短く」を意識して読みやすくする
文章はこのような「定石」を身につけることで見違えるように読みやすい表現になっていくのです。 短くすることで読まれるようになり、読まれることでこちらの本当の目的(売る・ファンにする)などを達成させることが出来るようになります。 「短く簡潔に!」文章の基本として体に刷り込んでください。 |
4.書けそうなところから書く!を徹底する
多くの人が文章は苦手と思っているのは、実はたった3つの理由から来ています。
1.書く内容が無い
2.書き出しがわからない
3.何から書いていいかわからない
この3つです。そこで、この3つを乗り越える方法を簡単にお話します。
【1】「書く内容が無い」を克服する
これは根本的な内容ですがテーマとなる情報を、取材、リサーチをしないと解決に至りません。自力でリサーチをしていく必要があります。
そして次の方法を使用して下さい。※準備するもの:付箋、A4ノート 上記の図のように取材・リサーチした内容を付箋に記載し、A4用紙の上でまとめておくと「何を書いていいかわからない」という状態は100%克服できます。また途中「次に書くことを忘れる」ということもありません。
【2】「書きだしがわからない」を克服する
文章が苦手という人の8割が、「書き出しがわからない」と答えますが、実は書き出しはテクニックを利用することで克服することが可能です。中でも最も簡単な解決法は「書き出しを後回しにする」という方法。これだけで驚くほど執筆のスピードが改善されることがあります。その他のテクニックに関しては一言で語りつくすのは難しいので後日掘り下げて説明します。
【3】「何から書いていいのかわからない」を克服する
多くの人が勘違いしてしまいがちですが、「原稿は一行目から必ずしも書かなくていい」ということです。もしペンが止まってしまうようなら思い出したことや、すでに書こうとしている中身、すぐに書けることから、無作為にどんどんと書き出してしまえばいいのです。
そうすると、「何も文章が書けずに時間だけがすぎていく」ということが無くなります。 「最初の一行から書かなければならない」という呪縛で、「書こう」と思うことすら抵抗を感じている状態から解放されるので、今までよりずっと気楽に取り組むことができるようになるのです。
ポイント4まとめ:「かけるところから書く」を意識してまず書いてみる
上記の3つを意識してみて下さい。「文章とは何なのか?」という根本的な事を知っている人には必ず効果があらわれる筈です。逆にこれを意識しても何一つ改善されないという場合は、日本語文章そのものに対する理解力不足、或いは書きたい内容、書きたいという欲求が全くない、といった可能性が考えられます。 |
5.書く前に箇条書きをして内容をまとめる
文章を書き終わり、全体を眺めてみると「そうだ、あのことを書いていなかった」など書こうとしていたテーマや内容が抜けていたということがよく起こります。そこで「あれを書こう」と思いつくたびに箇条書きのメモを作っておくと便利です。
そうしておくと、
「この話とこの話をこう結びつけよう」
「そういえばこういうのもできるな」
と文章の構造が膨らんでいくのです。しかし、注意をしないとデメリットもあります。箇条書きは、文章を書く上で自分が書きやすくするために書いたものです。
なので、読み手にどう伝わるかを考え、工夫をしないと構造が筋張ってしまいがちです。なので、もう一度読み手を意識して手直しすることで、そのデメリットを解決しましょう。そうすることによって、より分かりやすく、いい文章になっていきます。
ポイント5まとめ:箇条書きで書く内容をまとめる
内容をまとめるという意味では優秀な箇条書きでも、それで読み手に伝わる文章が書けるか?というとまた別問題です。客観的な視点を持ちながらまとめることが大切です。 |
第2章:文章表現の基本テクニックを身につける
かなり基本的な事ですが、これらを覚えて使うだけで多彩な文章表現が可能になります。
1・カタカナを効果的に使おう
ポートフォリオを、クオンティティ重視で、ティピカルな・・・etc
一般的に意味の伝わりにくい専門的なカタカナ語を使うのは相手に知ったかぶりの印象を与えてしまうことがあります。意識が高いことを印象付けたいのかも知れませんが、はっきりいって逆効果と考えるべきでしょう。そうなるとそこから先を読まれるのは難しいうえに、信頼は得られません。どうしても使いたい場合は、
ポートフォリオ(分散投資)、クオンティティ(量)、ティピカル(典型的)
とカッコ書きをして細くしておくと便利です(それでもオススメは出来ませんが)
このように散々なカタカナ語ですが、実はただ駄目なだけではありません。使い方次第で光り輝く場面もあります。
ひらがなや漢字を敢えてカタカナにして強調することで、とても印象的な文章になります。
例)
「ダメな関係から結ばれる本」 「意外にささるコトバの力」 「トクする買い物術」 |
2・難しい漢字は「ひらがな」にしよう
パソコンで文章を書いているとつい相手が読めない漢字まで変換してしまうものです。あなたも、そういった文章に一度は見かけたことがあると思いますが、相手が読めるかどうか迷った時はひらがなにするのが無難です。
相手に伝えるのが目的ですから、「相手に読めるかな?」という意識を常にもっていることで、よりよい文章になっていきます。
・接続詞
或いは(あるいは)、処で(ところで)、因みに(ちなみに) |
・副詞 漸く(ようやく)、寧ろ(むしろ)、勿論(もちろん)、俄かに(にわかに) 忽ち(たちまち)、強ち(あながち)、却って(かえって)、徐に(おもむろに) |
その他にも魚や野菜、昆虫などの名詞も難しいものが多いので漢字は避けましょう。
3・範囲を示す言葉に注意しよう
「以上」「未満」などの範囲を示す言葉はよく使われているものですし、区別できる人も多いと思います。
しかし次のような場合はどうでしょうか?
1)40歳超
2)私をはじめ3人のグループ
これらは「40歳は含まない」「私も含む3人」のですが、読み手の中には勘違いしてしまう人もいます。
このように誤解を招きやすい言葉を使う場合は、できるだけはっきりと書くようにしましょう。
「今日から5日間限り」など日数を提示する場合も「今日から5日限り(○月○日まで)」と加えた方が誤解無く伝えることができます。
他にも、
・3日ぶりに(中2日)
・3日おきに(中3日=4日に1度) ・誕生日の3日前(誕生日は含まない) ・6月7日以前に(6月7日も含む) |
などがありますので、注意してください。
4・筋を立てて文章を書こう
文章は八方に広がる“木”のようなものです。幹を中心に様々な枝葉がついてくるのです。
筋である幹が通っていない枝葉だけのような文章では、明確な文章にはならないので注意してください。
※例
私が本を読むのを好きになったのは、 父が大好きな読書のおもしろさを、いつも語っていたからだ。 |
この文では「私が」と「父が」の二つの話が同時進行しているので、読む人は一瞬考えて判断しなければなりません。
筋をしっかり立て幹のある文章にすると次のようになります。
※例
私が本を好きになったのは、その面白さを知っているからだ。 元々、父が本を大好きだった。 読書の面白さを父がいつも語っていたことに影響されたのだ。 |
このように幹を3つに分けて順序立てて説明しました。これで自然に流れるように理解することができるようになりました。
5・「に」を使いこなそう
日本語には「てにをはが」などの助詞が存在し、単語と単語の関係をつないでくれる重要な役割を持っています。
ここでは「に」の使い方について説明していきます。
この「に」の文法的意味は10種類にも及び、そのすべてを理解するまでは必要ありません。
例文から次の3つを感覚で掴んでいただければ十分使いこなせるでしょう。
◆「には」と「は」を区別する
※例
×この説明書は、マシンの使い方が規定されている ○この説明書には、マシンの使い方が規定されている |
◆「に」と「で」を使い分ける
※例 ×このチャンスで得たいことがある ○このチャンスに得たいことがある |
◆「に」と「を」を使い分ける
※例 ×勉強を頑張って取り組む ○勉強に頑張って取り組む |
この3つをおさえておけば「に」の使い方に関して困ることはないでしょう。
6・不必要な「で」と「の」を避けよう
「で」と「の」の混入をしている人を多く見かけます。簡潔な文章で分かりやすいすっきりした文章にするためには、無意味な助詞をつけない必要があります。
※例
×ラーメンでのだしは、地方によって異なる ○ラーメンのだしは、地方によって異なる |
もう少しだけ例をあげますと、以下も不要な「で」があります。
→北極大陸での氷山を見てみたい
→沖縄での土産話を聞いた。
→知らない土地での風習やローカルマナーに慣れるには、時間がかかる
次は不要な「の」の実例です。
※例
×アジアなどでの海外発注をしたため、コストが大幅に削減された ○アジアなどで海外発注をしたため、コストが大幅に削減された |
→公共の場でのエチケットがよくない人が多い
→この途上国は先進国からの援助をうけている
これらの「で」や「の」の混入は誤りというわけではありませんが、分かりやすい文章にするためには不要となります。
7・文章のダブリ表現をなくそう
文章を書いているときは何とも思わなくても、よくよく考えるとおかしな表現をしてしまうことは頻繁に起こるものです。
「後になって後悔しだした」など、後悔という言葉自体に「後」という意味が入っているので厳密にいえば「後になって」という表現はダブリになってしまうのでいりません。
「船に乗船する」
⇒船に乗る 「山に登山する」 ⇒山に登る |
とても簡単な表現の違いですが、この違いが読み手が書き手に持つ印象に影響を与えます。
まずダブり表現をなくすことで文章が短くなり、そして“くどさ”がなくなります。多くの文章は読んでいて辛いと感じる事が多いものですが、このような細かい点も修正できるようになると読み手が数倍楽になります。
楽になれば当然、自然と読まれるようになっていくのです。このような視点からも文章をチェックしましょう。
また、前述のダブリとは違いますが、同じ単語を何度も繰り返してしまう例もあります。
1・あの時のことは、すでに過ぎ去ったことだ。
2・私は長いことそのことを考えていた。 |
これらの文章がゴツゴツした印象をうけるのは「こと」という単語を繰り返しているからです。
1・あの時のことは、すでに過ぎ去ったのだ。
2・私は長い間そのことを考えていた。 |
と単語を重複しないように工夫しただけで、読み手にすんなり入る表現に変わります。
8・句を適切な箇所に配置する
というと難しそうですが、ここで覚えておくべきパターンはたった2つです。
◆修飾語は名詞の近くに配置する
自分の頭の中をそのまま文章にしてしまうと、伝えたいように伝わらない場合が出てくるようになります。
それは例えば、
「きれいな庭の花を見つけた」
という一つの文章の場合、「きれいな」は「庭」を修飾するのか、「花」を修飾するのか2通りの解釈ができてしまいます。
日常会話でも文章を場合でも、こういうことはよく起こります。
「きれいな庭に、一輪の花を見つけた」
「庭の中に、きれいな花を見つけた」
と書きかえればずいぶん分かりやすくなります。それと同時に読み手も想像をしやすくなるのです。
1.言葉を加える
2.位置を変える
3.句読点を使う
などを気にかけるのが有効です。特に、修飾語を使う場合は言葉の近く置くことでその言葉がどこにかかるかが分かりやすくなります。
このように、ちょっとした気の使い方で文章が格段にわかりやすいものが書けるようになっていきます。
◆主語と述語は近くに置く
次の例をみて下さい。
◆私は、焼け石に水とは言うが、両者の仲裁に入った
◆私は、学校にレポートを提出してから、買い物に行った |
こういう文章はよく見かけるし、不自然というほどではありません。しかし、次のようにするとよりスッキリした文章になります。
◆焼け石に水とは言うが、私は両者の仲裁に入った
◆学校にレポートを提出してから、私は買い物に行った |
前者と後者の違いを説明するなら「主語と述語を近くに置いた」だけです。
これだけでも文章はより分かりやすくなります。日本語はどこに主語をおいても自由なところがあるので、主語と述語の位置を気にかけるとグンと分かりやすい文章になるのです。
9・出来る限り具体的に描写しよう
読み手を惹き込む文章は、必ず読者の想像力を掻き立てるように具体的な描写がなされています。
ではどうすれば文中の出来事や風景を具体的に描写出来るようになるのか?
最も簡単なのは文の中に数字を使うことです。これで読み手に対する説得力がぐんと増します。
1.会場は満席で大盛況だった
2.会場の11000席もの数が満席で大盛況だった
見比べてみると一目瞭然です。読み手は具体的にその光景をイメージしやくなります。
なので具体的な数字が入れられるのなら、どんどん入れていきましょう。
また、使用する数字は細かければ細かいほどリアリティが増すといわれていて、上の例は数字を入れただけですが、ここからさらに細かな数字を入れる事で、読み手にリアリティを感じさせることが出来ます。
1.520人まで入れる会場は満席で大盛況だった
2.スタジアムの11392席分のチケットが全て売り切れた
数字の使い方にも様々な方法があります。文章を作成する際に、色々な数字を試しながら使用すると使い方を体得できるはずです。
第3章:これはダメ!文章を読みにくくさせる「10のNGな書き方」を知る
文章で物事を伝える時は出来る限りスムーズに表現できるようになりたいですよね。プロのコピーライターとして簡潔に文章をまとめきり「読みやすい文章」を書けるようになる事は必須課題と言えます。
実は文章が読みにくい場合は、大抵これからお伝えする10のポイントが原因です。
いつまでもダラダラと用件に入れなかったり、そもそもどうやって本題を切り出せばいいのかが分からなかったりと、簡潔に文章をまとめるのは難しいと感じている方は是非以下を参考に、「この10個のポイントだけは回避する!」という気持ちで書いてみて下さい。
1・回りくどい言い方はしない
前置きで注意を惹くのは大切ですが、あまりに関係ない前置きは読み手の気持ちが遠ざかってしまいます。
※ダメな例
人間はもともと多面的な生物です。簡単に「人間はこうだ」とひとくくりにすることは難しいでしょう。 ましてや私個人のこととなると、いいところ悪いところ含めて様々な要素の集合体です。 外面と内面のどちらの意味かは微妙ですが私は「歯に衣着せぬ人」と評されるので、このことにフォーカスして私の特徴について説明していくことにします。 ※OKな例 私はよく人に「歯に衣着せぬ人」と評される。 |
自分の特徴について書くときの前置きとして、この例の前者は明らかにアウトです。
外面か内面かなどの話をされても、読み手からすれば「早く話し始めてほしい」と思うでしょう。それよりは自分の特徴を知りたいと思わせるようなキャッチコピーを考えて、いきなり核心に入った方が読み手を惹き込めます。
無意味な前置きは読み手をイライラさせるだけで全く意味がありません。
2・同じ言葉を繰り返さない
無駄な言葉を削るときは、同じ言葉の重複をなくすことが重要です。
※ダメな例
心地いい住まいの条件として、3つ条件が挙げられます。 OKな例 心地いい住まいの条件は、3つあります。 |
このように文章を短く簡潔にすることができます。また、よくありがちなのが「こと」を多用してしまう場合です。
※ダメな例
みんなで力を合わせて結果を出すことは、自分だけで達成したときとは違う 大きな歓喜があることを知ることができました。 一緒に協力したことで、より一層信頼しあうことができました。 僕はこのことを通して、力を合わせること、同志のありがたさを感じることができました。 ※OKな例 みんなで力を合わせて結果を出したときは、自分だけで達成するのとは違う 大きな歓喜がありました。 一緒に努力したので、より一層信頼しあうことができました。 僕はこの体験を通して、同志のありがたさを感じることができました。 |
原文ではあまりに「こと」が多いので改善文で自然な文に直しました。
前章で「それ」などの指示語の話がありましたが、直前の言葉を指すように使えば指示語も言葉が重複するのを防げるようになります。
3・類義語をたくさん羅列しない
似ている言葉をいくつも羅列してしまう綱を張ったような文章は読み手に散漫な印象を与えてしまいます。思い切って省いてしまうことも大切です。
※ダメな例
視聴者の好感、理解、共感、好意を得られる番組を作りたい ※OKな例 視聴者の理解と共感を得られる番組を作りたい |
同じ言葉ではありませんが、意味が類似した言葉が並んでしまい「様々なことが挙げられる」と意図してもくどいと受け取られてします。
※ダメな例
仲間と対話するときや議論するときは、まず周囲の話や意見をきいてから、それを踏まえて、自己主張するようにしている。 ※OKな例 仲間と対話するときは、まず周囲の話をきいてから、それを踏まえて、自己主張するようにしている。 |
大同小異を並べるのなら潔く一方に絞ることで、話が簡潔になりよりスムーズに文章を読み進めてもらえます。
4・二重否定はしない
いわゆる二重否定ですね。二重否定というのは「否定はできない」というように少し消極的に伝えたいときに使う技法です。
「やった気がしないわけではない」
「欲しくないわけじゃない」
なにか回りくどくて煮え切らないような印象をうけませんか?それだけではなく、誤解をされることもあります。自分が伝えたい内容をしっかりと受け止めてもらうためにも、きっぱり「やりました」「欲しい」と言い切るようにしましょう。
二重否定の他に、誤解を受けやすく避けた方がいい表現を挙げておきます。
例
1)その担当は、部長には役不足です 2)御社の方々は明るくさわやかで常々、気が置けないと思っています。 3)昨日から憮然としたご様子ですが、何かございましたか? 4)その責任者になることは、やぶさかではありません |
これらは間違った意味で理解されてしまうことが多く、正しく使っているのに「失礼だ」と思われてしまう危険性があります。
例文の正しい意味は次のようになります。
役不足・・・その人の実力では、役目が軽すぎること
気が置けない・・・気を遣わなくて打ち解けることができること 憮然・・・落ち込んでぼんたりしている様子 やぶさかではない・・・喜んでする |
こうした誤解を受けやすい表現を使う際にも気を配り、他にもっと分かりやすい言い回しはないか?などを考えて書いていくことが重要です。
二重否定が自信の無さから来るのであれば、発信する言葉の裏を取ればいいだけです。根拠さえしっかりしていれば自信を持って発信することが出来るのですから。
そこに時間をかけられるということ。読み手のために出来るだけ分かりやすさを追求するということが、書き手にとって最も大切なスキルと言えます。
5・省略された主語を途中で変えない
文章の中では同一の主語で貫くようにしましょう。特に、主語を省略しているときに、途中でそれを変えるのは避けるべきです。
※ダメな例
読書によってときには考えさせられ、ときには新しい感動を与えてくれた。 ※OKな例 読書によってときには考えさせられ、ときには新しい感動を覚えることができた。 |
省略された原文の主語を補ってみましょう。「私は考えさせられた」と「読書は感動を与えてくれた」です。
このように一つの文で省略された主語が一致していないと読者が混乱する可能性が強くなります。改善文では「私は」で主語を統一させています。
※ダメな例
恩師がここまで育ててくれたことと、背中を押してもらったことに感謝している ※OKな例 恩師がここまで育ててくれ、背中も押してくれたことに感謝している |
このように、主語が省略されている場合は能動と受動が混同してないか気を付けると、間違いを見つけることができます。
6・「つなぎ語」を曖昧にしない
主語の省略と並んで厄介なのが「つなぎ語」です。
文をつなぐ時、日本人は婉曲的であいまいな表現をしたがります。次のような場合です。
※ダメな例
日本はかつて世界から「ジャパンアズナンバーワン」と呼ばれ、 高い成長力を誇る中、日本人の生活水準にも大きな影響を与えてきたが 今は成長低迷に直面している。 ※OKな例 日本はかつて世界から「ジャパンアズナンバーワン」と呼ばれ、 高い成長力を誇る一方で、日本人の生活水準にも大きな影響を与えてきたが 今は成長低迷に直面している。 |
「中」は、前後をつなぐ接続語としては曖昧になる言葉です。この場合は不適切というほどではありませんが、「高い成長力」という事実と「生活水準に影響を与えた」という事実は別物ですので、「中」ではなく「一方」のような表現の方がはっきり理解できます。
その他にも、
※ダメな例
私はこのようなセミナーに参加したことが無く、とても刺激になった ※OKな例 私はこのようなセミナーに参加したことがなかったので、大変参考になった |
などのようにつなぐと意味が明確になります。
7・「ことで」を多用しない
近頃メディアなどでも「ことで」が氾濫していますが、それは様々な話の流れを「ことで」でほとんど表せてしまうからです。
その影響か文章でも「ことで」をよく見かけるようになりました。
実際の所これは僕も結構やってしまうのですが、「ことで」を多用しすぎると意味不明な文章になる、とまではいかないものの非常に文章がくどくなってしまいます。
※ダメな例1
知らない人と接する機会が増えることで、対話力が向上する ※OKな例1 知らない人と接する機会が増えれば、対話力が向上する
※ダメな例2 常に意識を高めることで、本を読んでいきたい。 ※OKな例2 常に意識を高めて本を読んでいきたい。
※ダメな例3 現場に足を運んでもらうことで、伝聞では伝わらないものが分かる ※OKな例3 現場に足を運んでもらえれば、伝聞では伝わらないものが分かる
※ダメな例4 学ぶことで多くの知識を得られます ※OKな例4 学ぶと多くの知識を得られます |
「ことで」は本来、「この地域は冬の寒さが厳しい事で有名だ」のように、さりげなく使われる言葉で使うものです。
なんでも「ことで」を多用してしまうと、単調な印象を与えてしまいます。多様な表現をして、状況によって様々な言葉を使い分けましょう。
どういう時に「こと」を使うべきか?
これは属性を説明する時と覚えておいて下さい。例えばこういう時です。
※ダメな例
私の特徴はおっちょこちょいです。 ※OKな例 私の特徴はおっちょこちょいな「こと」です。 ※ダメな例 彼のいいところは、相手を説得させるのが上手だ。 ※OKな例 彼のいいところは、相手を説得させるのが上手な「こと」だ |
このように「属性」について説明する場合は「こと」を名詞にしつけましょう。
8・述語を複数重ねない
主語と述語の関係は文の骨格となっています。述語を複数使ってしまうと意味が混乱してしまうので注意しましょう。
※ダメな例
×ちょっとした一言が大切だと思ったのは、仕事の経験から感じるようになった ※OKな例 ○仕事の経験から、ちょっとした一言が大切だと感じるようになった |
前半に述語で「思った」と述べています。
「大切だと思ったのは…感じるようになった」
と、二つの述語を重ねてしまっては分かりづらい文章になってしまいます。
文を複雑にするメリットはほとんどないと考えて下さい。逆に主語が複数あり、述語にかかる場合はどうなるでしょうか。
※ダメな例
別荘や芸者遊びや高級車を買いまくるなど、贅沢三昧であった ※OKな例 別荘や高級車を買い、芸者遊びをするなど、贅沢三昧であった |
「別荘」「芸者遊び」「高級車」と複数の主語に「買いまくる」という述語で受けています。
「芸者遊び」に「買いまくる」では文の形がおかしくなってしまいます。
このように主語を複数使う場合は、どの主語にもその述語が適切か判断して並べるようにしてください。
出来るだけ余計なものは削る!これが文章力向上の秘訣
重要なのは「自分の文章の中に余分な言葉は入っていないか」を確認することです。特にブログ記事などでは文字数稼ぎのために回りくどい表現がなされていたり、全く不要なキーワードを入れてしまうケースが見受けられますが、読み手にとって非常に不親切な文章になります。
シンプルかつスマートで読み手に好かれる分かりやすい文章執筆を心掛けましょう。
9・原因と結果を取り間違えない
原因と結果が反転してしまっている文章に出会うことがあります。ちょっと分かりにくいのでこちらも例を出します。
※ダメな例
チームの団結力を高める為には、共に達成を喜び、 一緒に成長したと感じさせることが大切である。 その為にはまずみんなで意欲を高める必要がある。 ※OKな例 みんなで意欲とチームの団結力を高めるためには、 共に達成を喜び、一緒に成長したと感じさせることが大切である。 |
どういう事か分かりますか?
この問題の因果関係は、
(原因)意欲とチームの団結力を高める
(結果)共に達成を喜ぶ、一緒に成長したと感じる、です。
原文では原因と結果の関係が入り混じってしまい、因果関係を簡潔に理解することができません。
もう一つこちらをご覧下さい。
※ダメな例
環境破壊防止による「リサイクル製品の使用」が、世間で厳しく言われるようになった ※OKな例 環境破壊防止のための「リサイクル製品の使用」が、世間で厳しく言われるようになった |
「による」は原因です。原文では因果関係が逆転してしまっています。
言葉ひとつで原因と結果が変わってしまうので注意してください。
10・「 難しい漢字、専門用語、略語、外国語で書き出さない」
次の文章を読んで下さい。
『PPC広告を使ってクリック単価を調節しながら、コンバージョンを常に監視して、最低でも1%は保つようにしないといけません』
いかがでしょうか。
こう言われて、「なるほど!わかりました」とすぐに理解できる人は中々いないと思います。
多くの方が「PPCって何?」、「クリック単価?」、「調節?」、「コンバージョン?」というように「?」マークが浮かぶと思います。専門用語を理解している人にとってはいい話かもしれませんが、用語を理解していない人にとっては難しすぎて読むことをやめてしまうのです。
※ちなみにPPCとは:ペイ・パー・クリック(Pay Per Click)の略で、クリック数に応じて課金される広告のことです。
もし難しい単語を使用する場合は、事前にその単語を理解してもらえる下準備が必要です。固有名詞などの場合でもなじみのない初めての名前の場合は違和感を覚えてしまうものです。
今回は専門用語を例に出しましたが、難しい漢字、略語、外国語も書き出しには使わずに、誰でも理解出来る話をもってくるのがポイントです。
第3章:「4つの文章力向上トレーニング法」でスキルを磨く
文章力は一朝一夕で向上していくものではありません。
しかし、研鑽を積むことによって確実に磨かれていくものだと僕は思います。上手く書けないことを才能のせいにするのは容易いですが、それでは何の解決にもなりません。「三歩進んで二歩下がる」のようにゆっくりと上達していくのが文章力という技術です。じっくり取り組んでいきましょう。
では今回は文章力の向上において最も重要な4つの要素について触れます。
1・お手本になる人や仲間を探す
どんなことを学ぶにしても、自分ひとりの力には限界があります。そこで、お手本になる人やいろいろなアドバイスをしてくれる人を見つけることでその後の伸び方が大きく変わっていきます。
■目標にしたい人をインターネットや本屋などで探す
■文章を書く教室やコミュニティに入る
■いい文章を書く人を見つけてマネをしてみる
どれもいい方法です。
共に学ぶ仲間がいると、挫折する可能性は格段に下がるからです。それに、「負けたくない」という気持ちや「この文章はすごい」という気持ちが生まれれば、自分の作る文章に対するポリシーが生まれ、より上達していくのです。
2・毎日のトレーニングメニューを決める
スキルを身に付けるには量を多くこなすことも重要です。そこで、「毎日これだけは書こう」という目標を設定してみましょう。
日記を書くのも、書かないよりはいいですが、自分にしか分からないような文章になってしまいがちです。そうならないように毎日のトレーニングメニューを今決めて置く事がとても重要です。
トレーニング1:上手い人のコピーを読む
トレーニング2:写経を行う
トレーニング3:自分で1000字の文章を書く
トレーニング4:一目に触れる場所へアップする
※ブログ、メルマガ等
このようにある程度決めておき、このトレーニングメニューを何度も何度も繰り返す事です。そうすると永遠にそのスキルは磨かれ、他人から「あなたの文章はすごい」と賞賛されるようになって行くのです。
3・手あかのついた表現はしないようにする
文を書いていると、なんとか気のきいた言い回しをしようと思うものです。
しかし、あまりに型通りなものや手あかのついた表現はかえって文章を陳腐なモノにしてしまいます。「薔薇のようにトゲある人だった」「透き通るような白い肌だった」などの表現です。書いている本人は「うまく言い回せた」と思っていることが多いですが、読み手は月並みの表現としか受け取りません。
ですからそこから「自分なりの言葉では何かいい表せないか?」と考えることで、いい表現をするスキルがぐんぐんついていくようになるのです。
その際に活躍する類語辞典サイトを記載しておきます。
例えば「トゲ」と入れると、【壁、毒、突起、問題、蟠り、いが、とげ、イガ、棘】などの日本語として存在する類語が出てくるという便利ツールです。 文章を書く時の必須ツールですので活用してください。
4・「話すように書く」を鍛える!
文章が書けないと悩んでいると「話すつもりで書けばいいんだよ」とアドバイスしてくれる人もよくいます。苦手意識を持っている人にとってはそう言われると少し気持ちが楽になると思います。
そこで是非使って欲しい方法は「ICレコーダー」を使用するという方法です。やり方は次のステップで使用してください。
■STEP1:ICレコーダーを用意する
■STEP2:文章にしたいことを話し、録音する
■STEP3:音声を聞きながら文章に落とす
このように、自分の音声を録音して書きだすのも一つの方法として有効です。
書くことの専門家である作家でもこの方法を使っている人がいるくらいなのです。
まず話を録音し、文章に落とす。そして文章に起こしてから、書き言葉として不自然なものを修正していけば大丈夫です。推敲を重ねることできちんとした文章になるという方法です。
文章を書くためには様々な方法がありますが、色んな方法を試していくうちに自力で最初から文章が書けるようになっていきます。気持ちを楽にするために「話すように書こう」というのは有効なテクニックのひとつです。
文章力向上のためのトレーニングは非常にシンプルである
とてもシンプルではありますが、上記の4つを僕は本当に大切だと考えています。
「お手本を見つけたら、毎日書く。その中で自分なりの文章を見つけていく」
これがライティングと向き合う者の日々だと思うのです。
こんなことを言うと何だかとても堅いですね(笑)
実際は書く事にやりがいを感じていれば苦にも感じないような取り組みなので、あまり肩に力を入れない程度に上記ご参考にして頂ければと思います。
全体のまとめ
いかがでしたか?今回は文章を書く為の基礎的な内容です。何か怠いなぁ等と言わずに自分の執筆環境やマインドを見直してみて下さい。これらのことが出来ていなければ応用的なライティングを身につけていく事は出来ないと思います。野球でいう所の素振りです。それ位重要です。ではまた次回!
この記事について、色々書こうとメモをまとめましたがやめました。
まずは思考の流れが文章につながり、思考の受容が文章の理解につながる基本を学んではいかがでしょうか。
タイトルの大仰なキャッチに惹かれて読んでみましたが、おまりにもお粗末な内容でくすっと一声鳴きました。
全ての基本は思いです。思いを系統立て、言葉というツールを使って緻密に積み上がられたものが思考です。思考が言葉を操ります。原因結果や因果の本質もまったく観えない方がむやみに生きてもいない言葉を積み上げるのは間違いです。
コメントありがとうございます。
是非、色々書こうとまとめられたメモを拝見させて頂きたいです。
「全ての基本は思い」という所が漠然としていていまいち腑に落ちないのですが、その思いを上手く伝えられない方々の為に書いたのがこの記事です。
伝えたい思いをしっかり文章として伝えられる人は基礎文章力では悩まないのではないかと思うのですがいかがでしょう?
修行者様は何か勘違いなさっているのかも知れませんが、このブログはニーズがあるから存在しています。日記ではありません。
「上手く文章がまとまらない」「書けない」そう悩んでいる人達が解決策を探しにこの記事に辿り着いています。
その先に「思考の受容」「原因結果や因果の本質」などと言うコンテンツがあったとしても全く役には立ちませんよ。
マニアックな技術を探求するのも良いと思いますが、知識や技術をひけらかす為だけの記事に価値はありません。
マーケットの中で活動するライターにとって訴求点の見極めは非常に重要です。そのような視点もある事をご理解頂けますと幸いです。