本日はセールスコピーライターにとって花形案件でもある「セールスレター」についてご説明します。
セールスレターとはごくごく簡単に言えば「手紙調のセールス文」です。では早速、基本となる型をご覧頂きますね。
Contents
第一章:セールスレターのオーソドックスな型を理解する
(1)ヘッドコピー | (2)サブヘッドコピー(リード文) |
ボディコピー | (3)スリップイン |
(4)メイントピック | |
(5)第三者の声 | |
(6)商品写真 | |
(7)ブレット | |
(8)ボーナス特典 | |
(9)価格 | |
(10)リスク保証 | |
(11)申込方法 | |
(12)追伸 |
※(6)、(8)、(11)は説明不要と判断し割愛します(ユーザーに事実を見せる、伝えるだけのパーツのため)。
何かわからないことがあれば、こちらまでお気軽にご質問ください。
この形を基本として、案件により要所要所に加筆と削除を入れていきます。
ただセールスレターというものを知っている人であれば、多分理解できると思いますが「ところでセールスレターって何?」という感じだと上の図を見ても「???」かも知れません。なので実際にセールスレターを見てもらいましょう。
これがTHEセールスレターだ!
百聞は一見に如かずという事で例を探していたのですが、最高の教材を見つけたのでご紹介します。
神田先生と言えばセールスコピーライターにとって神様のような存在の人ですが、その人の公式サイトに掲載されたコピーライティングのセールスレターですね。このページ以上にセールスレターを理解する上で最適なページはないと思います。
ちなみに先生のセールスレターの構成は?
セールスレターの構成は以下のようになっていました。
ヘッドコピー リード スリップイン メイントピック 商品写真(商品説明) 第三者の声 ブレッド 価格 お申込み 追伸 |
何か所か基本の型と順番が入れ替わっていたり、パーツ自体が存在しなかったりしますが正統派セールスレターといった印象です。35,000円と比較的高額な商品なのに特典とリスク保証を省いているのは、おそらく神田先生のネームバリュー、実績、実力が周知の事実で疑う者がほぼ居ないからだと推察します。
それにしてもコンパクトなセールスレターなのに威力が半端じゃありませんね。。さすがです。
セールスレターの法則について
ここでセールスレターの法則について少しお話しておきますが、世の中に公開されているセールスレターは大体、2つの法則に沿って書かれています。
・PASONAの法則
・QUESTフォーミュラ
ちなみに上でご紹介した神田先生のセールスレターはPASONAの法則に沿って書かれていますね。具体的にそれぞれの特徴をご説明します。
PASONAの法則とは?
例「あなたはこんな事で困っていませんか?」
◆Agitation(問題を煽り立てる)
例「その悩み、放っておくとこんなリスクがありますよ!」
◆solution(解決方法の提示)
例「でも安心して下さい!これがあれば大丈夫(商品を説明する)」
◆Narrow down(限定性・緊急性)
例「ただ…数に限りがあります(または期間限定商品なんです…)」
◆Action(行動を促す)
例「さぁ今すぐ問題を解決しましょう!」
簡単に言うとこんな流れです。続いてQUESTフォーミュラですが、
QUESTフォーミュラとは?
例「あなたの悩みや痛み、私が解決してみせますよ!」
◆Understand(共感を示す)
例「実は私も以前、あなたと同じ事で悩んでいたんです…」
◆Educate(教育する)
例「この商品を使えば私と同じように、あなたも悩みが解決しますよ!商品説明しますね」
◆Stimulate(興奮させる)
例「想像してみて下さい、悩みが解決したらこんな素晴らしい未来があなたを待っています!」
◆Transition(行動を促す)
例「さぁ、あなたも今すぐ悩みを解消しましょう」
例は小難しく書いても分かりづらくなるだけなのでかなりシンプルにしてあります。手抜きではありません(笑)
この2つの形に該当しないセールスレターも、もちろん存在します
当然ですが、QUESTとPASONA、2つの法則を知らない人がレターを書いたらそれはもう完全フリースタイルの「自由過ぎるセールスレター」になりますし(笑)そういうセールスレターが必ずしもダメレターなのかというと、割とそうでもなかったりします。
また、この2つの法則に沿ってセールスレターが書かれるのは比較的、そのセールスレターがランディングページ(着地ページ)に当たる場合が多いです。例えば「広告から直接レターを見せて売る」ワンステップの場合という事です。
一方、セールスレターに着地する前に、オプト用のLPを経由し、ステップメールと販促用動画を見て、既に予備知識ばっちり状態のユーザー向けに書く場合は、商品の持つデメリットを再提示したり、ユーザーの悩みや問題に改めて触れる必要がない事の方が多いです。
そういう条件でレターを書く時は、ひたすらメリットを押しまくるイケイケドンドンレターが最も派手に売れる傾向にあります。
セールスレター各パーツの重要性や例の紹介
では話が横道の逸れてしまったので戻しまして、先ほどのパーツ紹介を思い出して下さい。で、次に各パーツそれぞれの重要性やライティングの際の注意点などを簡単にご説明していきたいと思います。
(1)ヘッドコピーの重要性
・ヘッドコピーで興味が沸かなければユーザーはページを閉じてしまう
・セールスレターを「読ませる」ためのパーツである
・客観的視点で見て「自分が続きを読みたくなるか?」が重要
ヘッドコピー参考例
【参考例1】 あなたが成功者になれるか?なれないか? ●●が「できるorできない」の違いは、ほんのわずかな●の使い方の違いだけ。 |
【参考例2】 手取り●●万円の普通のサラリーマンが、たった●●か月でセミリタイアできた! ●●で儲ける!●●投資方法を大公開! |
(2)サブヘッドコピー(リード文)の重要性
・後の文章を読ませるインパクトのあるフレーズを配置すること
・ヘッドコピーを文中に挟む意識でライティングする
・読み流された時、目を止められるように書く
サブヘッドコピー(リード文)参考例
1・●●の世界を体験してみませんか? 2・あなたのしている●●、もしも全く意味がないとしたら… 3・●●で従来の●倍効率アップ! 4・正直に告白します。私も以前は●●でした… 5・なぜこの方法が有効か?その答えを知りたくありませんか? 6・あなたに絶対的に欠けている“あるスキル”とは? 7・「私にも本当にできるの・・?」 |
(3)スリップインの重要性
・ヘッドからの流れをスムーズに(滑り台を滑らせるように)
・メインの文章に期待感を持たせる
スリップイン参考例
【参考例1】 あなたの潜在能力を引き出し、スキルをMAXまで高める、 初心者から上級者までオールOKの●●の秘密をお話します。 |
【参考例2】 あなたは想像できますか?あなたの作ったノウハウを求める声が、 毎日注文メールとして殺到する光景を。 |
【参考例3】 もしもあなたに●●したいという切実な願いがあるなら、 この手紙はあなたにとって最も価値のある情報源になるでしょう。 |
(4)メイントピック(メインのストーリー)
困った時は「大きな問い」を頭に描く
例えば、
「なぜ金なし、コネなし、何もなし…あらゆる意味で“ゼロ”だった私が、なぜたった●●日で儲けられたのか?」
そして小さな答えを羅列します。
1・儲からない時期の辛さ
2・なぜ儲からないのか? 3・儲かる人と儲からない人の思考の差 4・その差に気付いたきっかけは? 5・なぜ「あなた」もこれを知れば「私」と同じように稼げるか? |
羅列した答えを膨らませ、文章にしていき、繋ぎ合わせると比較的オーソドックスなメイントピックが完成します。
優先すべき内容
レターストーリー部分において、有効なのは「痛み」や「危機感」です。例えば「お金に困っていないが金持ちでもない人」に「儲け方」を教えるよりも、「お金に困っている人」に「儲け方」を教えた方が当然、興味をひけますよね。
もしもターゲットが前者に該当する人だと仮定した場合、痛みよりも危機感を煽ります。ニュアンスとしては、
「あなたの普通が一般的な普通とずれていたら…」
「将来的に考えて不安はありませんか?」
などの内容になるかと思います。ゼロからプラスではなく、マイナスから一気にプラスに引き上げる感覚で、メイントピックを作成すると感情を大きく揺さぶる文章になります。
気をつけなければいけないポイント
1・当たり前ですが、強すぎる煽りは反感を買います
2・「痛み」「危機感」と「共感」は1セットです
必ず「私もそうでした」「私にもその気持ちがわかります」など、ユーザーをフォローする共感の文章を導入して下さい。
ユーザーの性質を把握する
例えばゴルフの場合は「30才~の男性」が主なターゲットになります。
しかし不妊治療の場合「20才~の女性」が主なターゲットになります。
この上の2つを同じ感覚で書くと、非常に効率の悪いセールスレターが出来上がります。
特に女性をターゲットとするレターの場合(不妊治療などのカテゴリは特に)表現の仕方が少し荒くなっただけでクレームに繋がる場合も珍しくありません。SNSなどでも特徴はつかめますので、その辺りのリサーチは徹底して行って下さい。
(5)第三者の声
客観的な声はセールスレターでは非常に重要!
・お客様から寄せられた生の声
・推薦者(権威者・有名人・先駆者)の声
創作はNG!
たまに「お客様の声も作って下さい」という要望がありますが、これは「嘘を書いて下さい」と言われているのと同じ事。絶対にそういう類の要望には応えない方が良いです。
(7)ブレットの重要性
・商品を購入する事によって得られるメリットの箇条書き
・書けない時はブレインダンプで
・ユーザーが求めるキーワードをできるだけ大量に盛り込む
・量が多いほど有効(一般的なレターでは最低15個は欲しい)
・最初の5つは特に読まれる傾向にあるので、最初に重要な内容を固める
・同じように一番最後も目に止まりやすいため、最も重要な内容でしめくくる
ブレットの有効な書き方
【良くない例】 ✔なぜ●●がこれほど伸びたか?3つの法則があります! |
ただのブレットの羅列だとインパクトも弱く、想像させる力もあまり働きません。
【良い例】 ✔なぜ●●がこれほど伸びたか?3つの法則があります! その3つの法則とは、全て■■に関係があり、 あなたも知るだけで今すぐに実践できる内容です! |
(9)(10)価格説明、リスク保証の重要性
下に説明をつけると具体的な内容を想像させる力が強まり、効果も飛躍的に上がります。
ただし、ネタバレを避ける為にある程度ボカした表現で。
・競合との違いを最も自然に見せられる箇所
・【費用】対【効果】の比較を具体的に説明し、商品の魅力に繋げる
・最後のひと押しとして、返金保証などがあればリスクフリーをアピールする
(12)追伸の重要性
・読者が最後まで流し読みした場合でも、ヘッドと追伸は読む傾向があります
・最後のひと押しと、緊急性をアピール
・返金保証有の場合は、追伸2を作り別枠でリスクフリーを再度説明
どうしても書けない場合は?
まずはこの構成に添った、他者のセールスレターをひたすら書き写すのも良いと思います。頭で理解するよりも、実際にライティングしてしまった方が身につきやすく、作業を続ける事でモデリングも出来るようになります。
なかなか時間が取れない場合でも、競合のセールスコピーをしっかり読み込み、どうすれば良いセールスレターになるのかを研究して下さい。
自分が執筆するセールスレターと、全くテーマの異なるセールスレターにも、ヒントとなる部分が見つかる事は多いです。パクリは問題がありますが、手法を盗んで消化し、応用する事自体はスキルアップにとても役立ちます。
第二章:型を使わないオリジナルのセールスレターを書く
通常の型に沿ったありきたりなセールスレターから脱却したい!そんなあなたへ
こんなマニアックなブログに辿り着いてしまっている訳ですから「この流れに沿ってある程度のセールスレターを書くことはできるけど、イマイチ成約率が伸びないから困っている…」そんな状況の方もいらっしゃることでしょう(笑)
もしくは「セールスライターとしてブランドを確立するためにも、自分なりの書き方を磨いていきたい」そんな人もいるかも知れません。ですので、ここではかなりルールの少ないセールスレターの書き方を紹介しましょう。
ルールの少ないセールスレターの書き方と重要性
ルールが少ないということは自由度が高く、個性をいかんなく発揮できる半面、守ってくれる要素が極端に減少する諸刃の剣ですので「一般的なセールスレターなら普通に書ける」という場合に参考にして下さい。
この世界にはセールスコピーライターを含め様々な専門分野があり、その中には一流と呼ばれる人達がいます。
では一流が一流と呼ばれる所以はどこにあるか?と言うと、平均レベルの人達と比較した時、一見して異なる明確な“形”と“結果”を残しているからだと思います。
これは野球選手で言えば本塁打の数(結果)を裏付けるスイングの優秀さ(形)音楽家で言えば思わず聴き入ってしまう曲の素晴らしさ(結果)を成り立たせる演奏技術の高さ(形)などに例えることができます。
一本足打法(形)で868号の本塁打を記録(結果)した元・プロ野球の王選手などは実例として想像しやすいかと思います。
セールスコピーライターとして一流のセールスレターを書きたいと思った時に、多くの人は“結果のみ”を追い求めてしまいます。
「売りたい!」「売らなければ!」という気持ちが先走ってしまうのです。そうではなく、平均から抜きんでた結果を掴む為には、“形”を追い求める事も重要です。これは要するに「自分独自の成功パターン」を手に入れるという事。その為に、他のセールスコピーライターと肩を並べた状況から抜け出さなくてはなりません。
では具体的な話をしていきましょう。
売れるセールスレターを書く3つの秘訣
これは僕が自由度の高いセールスレターをライティングする時に使用しているルールなのですが、ライティングの際に大きく3つの要素にのみ集中します。
・メインベネフィットの表現
・商品、サービス
・再現性と確信性の表現
これを図に表すと以下のようになります。 メインベネフィット、つまり悩みや痛みを含んだ欲求と魅力的に謳った商品・サービスを、再現性と確信性で繋ぐというものです。
これを自分自身が満足いくレベルで表現し切ることをレター全体のミッションとします。どこでどんな話を切り出すも自由。ただし、「悩みや痛みを含んだ欲求と魅力的に謳った商品・サービスを、再現性と確信性で繋ぐ」、その為だけにのみ文章を書くというイメージです。
そうする事で案件によっては一般的に認知されたセールスレターのルールから大きく脱線する場合が多々ありますが、圧倒的に競合他社とは異なるセールスレターが出来上がるのです。
それでいて、
・メインベネフィットが読み手心理にダイレクトに響く事
・商品やサービスが魅力的に見える事
・上記2点が信用できるものである証明の要素
ほとんどの読み手がセールスレターに求める内容は全て網羅されています。
もしも今すぐ他とは違う自分だけのセールスレターを書けるようになりたいと思うなら、この3つの要素のみに集中して自由に執筆してみる事をオススメします。マスターすれば他に類のないあなた“だけ”のセールスレターを書けるようになるでしょう。
ルールの少ないセールスレターを書く具体的な方法は?
ここについてはとても説明しづらいです。何と言っても他と被らない型を生み出す考え方なので例がなかなか出せないという事情があります(苦笑)
ただ、書き方自体は決して複雑ではなく、それどころかかなりシンプルなんです。と言いますのも先ほどあげた3つの要素。
1・メインベネフィットの表現
2・商品・サービス
3・再現性と確信性の表現
これらを「ひと繋ぎにすること」をひとまず置いておき1のベネフィットを書く時は頭の中はベネフィットだけ!ひたすら集中して最高のメインベネフィットを表現します。2,3も同じ要領で進めて最後に繋いで整える。これだけでOKです。
難しいのは「それぞれの文章の中身をどれだけ高められるか?」ここはセールスコピーライターとしての実力が問われますので全力で良いものを書き上げて頂ければと思います。
ずば抜けて売れるセールスライターはメリットよりもむしろ「デメリット」を上手く見せる
「この商品はメリットがたくさんあります!」
「本当に素晴らしいと思います!1つもデメリットがないのです!」
「そんな商品、あなたは今まで見た事がありますか!?」
プンプン怪しさが漂ってきますね(笑)
もしもこんなセールスレターがあったらあなたなら本能的に購入を避けませんか?
世の中の大半の商品・サービスに少なからずのデメリットがあることをどんな人でも本能的にこの仕組みを理解しています。だから「デメリットはない!」と断言するものに対して、人は必要以上に疑いの眼差しを向けるのです。
ちなみにデメリットを直訳すると「欠点・短所・損失」となりますが、ここで言うデメリットは主に「短所」としての意味を持ちます。
デメリットの存在しない商品やサービスは本当にごく僅かです。なぜなら、デメリットの欠片もない商品が完成すると言うことは、「その分野の需要を全て満たし切るのと同意義」だからです。つまりこれはメリットとデメリットは表裏一体である事を指しています。
また、購入者に多大な不利益が生じるのはデメリットではなく、“重大な欠陥”です。この認識違いには注意しなくてはなりません。大抵はメリットに至らなかった部分がデメリットとして認識されます。
欠陥と混同しないようにして下さいね。
ウォークマンのデメリットの扱い方
販売当初のウォークマンは、
「場所を選ばず好きな時に音楽が聴けるが」→「録音機能がない」
=その時代致命的だと考えられていたデメリットをメリットが上回った結果、大ヒット!
この事からも分かるようにデメリットがあろうとなかろうと、メリットが上回れば商品は売れるし、むしろデメリットの開示が信頼を勝ち取る材料にすらなり得ます。
はじめにデメリットを切り出すセールスライティング
これはその商品やカテゴリによって悲劇的な成約率低下に繋がる場合もあるので安易に使わないで欲しいのですが(例えば冒頭でお伝えしたイケイケドンドンレター系)、セールスレターの序盤に『まずこの商品の“デメリット”を紹介します』とサブキャッチを打てば、強い痛み・悩みを抱える読み手には真剣に読んでもらえると思います。
その後、対処法を明記した上で“デメリットを補って余りあるメリット”を提示すれば、読み手がその商品のデメリットを頭の中で想像して閉じてしまう可能性も削れますし、質問メールを販売者に投げかける手間も省けるでしょう。
「あなたが●●であればお力になれません。しかし●●であればお役に立てます」
これもある意味ではデメリットの開示の一つと言えます。もちろんデメリットに触れれば確実に売り上げの低下に繋がる場合も考えられます。その時も隠すのではなく、メリット部分を大きく魅力的に見せることによってデメリットに目が向きづらい構成にすべきです。
履歴書の「長所と短所」とも共通点がある
これは会社で人事担当を務めている友人から聞いた話ですが、履歴書の「長所」と「短所」は9割型、表裏一体になっているそうです。
例えば長所が「何ごとも熟考し、効率とより優れた結果を追求する性格」であれば「何ごとも慎重を期するあまり、決断が遅くなる場合がある」などが挙げられます。
これを逆に変換すれば、「行動力、決断力には自信がある」と言う長所が、「思い立ったらすぐ行動にうつしてしまう。持ち前の行動力に慎重さが伴うように努力したい」という短所になりますね。
案件を手掛ける時は、「デメリットをいかに隠すか?」ではなく、「デメリットをどのように使うか?」という視点で考えてみて下さい。
メリットを追求する視点からは思いもよらなかった切り口が潜んでいる事も少なくありません。
セールスレターはユーザーに「長い!」と思わせてはいけない
当たり前のことですが、長いセールスレターを苦労の末に書き上げたとしても、上記のように思われてしまっては本末転倒です。
「長い!」と思われるのは、ユーザーを全く惹き込めていないという事だからです。
基本的には意味のある要素が多い時にはセールスレターは長くなります。しかし説明する要素が少ないセールスレターは短い形が理想的であることも覚えておいてください。
無駄の多いセールスレターの特徴とは?
例を挙げてみましょう。
私どもは、ネットビジネスで成功を目指すお客様を誠心誠意サポートするために、業界の動向を注意深く観察し、最新のサービス提供を追求してきました。
このスタンスを設立当初から貫いてきたからこそ多くのクライアント様から満足の声を多数頂き、また、絶大な支持を得られたものだと考えております。 |
上記の文章を読み手が疑い深く読んだ時に、ユーザーの「???」はどこに発生するでしょうか?
◆ 業界の動向とは具体的にどの範囲か?
◆ 最新のサービス提供とはどのサービスのことか?
◆ 設立当初から貫いてきた姿勢を証明する行動は具体的にどういうものか?
実は、この「???」に対して説明の必要は本来発生しません。
「最新のサービス提供をしてきた」
と言うフレーズは、今回のセールスページで公開するサービスも「ある要素、もしくは全ての要素において他社の先を行っている」という背景がなくてはなりません。つまり、いち早く今回の最新サービス提供について説明をはじめることがベストであり、過去については最小限に留めるべきです。
業界の動向についても、設立当初から貫いてきた姿勢についても同様のことが言えます。
全ては過去に対して読み手の焦点が集まります。これらを文章で説明するのは非効率的です。
それよりは実績のパーツを作り画像等を駆使してまとめた方がよほどスムーズなページになるでしょう。このように格調にこだわりすぎると長く無駄の多い文章になってきます。
ただ、先の例文を読んで「何が悪いのかわからない」という意見を持つ方もいるかも知れません。
その意見は場合によっては正論になります。この例文は文章的に重大な欠陥のあるものではありません。しかし、「簡潔にセールス文章をまとめるということ」に関して欠陥はあります。
もう一度、例文を読んでみましょう。
私どもは、ネットビジネスで成功を目指すお客様を誠心誠意サポートするために、業界の動向を注意深く観察し、最新のサービス提供を追求してきました。
このスタンスを設立当初から貫いてきたからこそ多くのクライアント様から満足の声を多数頂き、また、絶大な支持を得られたものだと考えております。 |
先ほどもお話したとおり全て“過去”に対する内容ですよね。しかしセールスページでは“未来”にあたる商品やサービスを説明するのが主な目的です。
と言うことは、この例文だと“過去”から“未来”に話をシフトさせる段階での“クッション”が必要になってくるのがわかると思います。そこでスペースを使ってしまうと長い文章になってしまう訳です。
もちろん“過去”に触れること自体は有効ですが、それ自体の多くは数字や実績提示のみで済むことが多く、本文に組み込む必要のない場合がほとんどです。
セールスレターは基本、未来に目を向けて執筆するべき
「常に最新のサービスを提供すること」をコンセプトにお客様をサポートしてきた私達○○が、今回新たにご紹介するサービスがこちらの○○です。
設立当初から頂いております多くのご支持に応えられる自信があります。 |
この形であれば「???」がほぼ発生しません。
◆ 業界の動向とは具体的にどの範囲か?
※説明することに意味がない為削除
◆ 最新のサービス提供とはどのサービスのことか?
※最新のサービス提供をこれから見せると、いう姿勢により過去に対する疑問が発生しない
◆ 設立当初から貫いてきた姿勢を証明する行動は具体的にどういうものか?
※貫いてきたという姿勢を隠し、支持が集まっている結果のみを文章にすることで疑問が発生しない
実際ここまで神経質に説明を求めてくる読み手はほとんどいませんが、執筆している当のライターは違います。前文の説明のためにスペースを使ってしまい、結果長々とした文章になってしまうことが度々あるのです。
「この商品の魅力を伝えるために、このパーツは本当に必要か?」そう考えて執筆に取り組んでみてください。
第三章:セールスレターは「人体と同じ構成」で出来ている
セールスレターのライティングは、フリーのセールスコピーライターにとっては単価も比較的高く、是非積極的に受注を狙っていきたい案件だと思います。
その為には最高のセールスレターを書けるようになる必要がありますよね。実は最高のセールスレターを書くには神様になる必要があります。…はい、「いきなりこいつは何を言っているのか?」と思われたかも知れません(笑)
でも至って真面目なお話です。セールスレターと人間の体には大きな共通点があるのです。
セールスレターと人間の体の共通点
旧約聖書創世記によると、神様は人間を創る時、地の塵を捏ねて人型を作ったと言われています。
実際、僕は全然信仰深い訳ではないし無宗教者なのですが、本当に神様が人を創ったのであればとても興味深い話ですよね。
人体は体重1キロあたり1兆個の細胞で形成されているらしいです。体重50キロの人は50兆の細胞で作られているってことです。さらに、そんな膨大な細胞で形成された人間にはそれぞれ「独立した意思」が備わっています。
人間は世界で最も精密な制作物と言えるかも知れません。
我々セールスコピーライターは“文章の営業マン”と言われるセールスレターを生みだす事が求められています。「どれだけ立派な営業マンを生み出せるか?」に頭を働かせライティングをしていく事がセールスコピーライターとしての仕事です。
なので、セールスコピーライターがセールスレターを書く時はワード原稿を作成する意識ではなく、一人の人間を形成するようなイメージでライティングしてみてください。
そうすると面白いことに人間の体とセールスレターの構成には共通点が見られるのがわかると思います。
セールスレターと人間の体の共通点
頭部=ヘッドコピー人間で言えば脳にあたるのがヘッドコピーで、一般的に最も大切と言われることが多い部分です。 確かに危機的状況に陥り体にダメージが及ぶ時、人はとっさに頭を庇います。また、人が他人に対して持つ第一印象は大抵が顔の印象です。 同じようにセールスレターの書き始めであるヘッドコピーは、セールスレター全体の印象を、決定づける役割を持ち、そのため特に時間がかけられ、何度もテスト⇒公開を繰り返されるパーツです。 上半身=ボディコピー上半身には内臓器官が集中しています。基本的に全ての臓器が正常に機能しなければ人は健康を保てません。 また、臓器からくる体の不調は全身にあらわれます。つまりこれをセールスレターに置き換えるとヘッドコピーやクローズコピーがどれだけ優れていても、上半身にあたるボディコピーに問題があればセールスレター全体に不調が及び十分に機能しないことを意味します。 下半身=クローズコピー人間の生殖器官は下半身に位置します。 下半身がなければ人間は進化することもできず、子孫を生み繁栄させることもできませんでした。このパーツはセールスレターで言うクローズコピーにあたります。つまり、成約・決済を生むパーツです。 |
このように考えてみると「セールスレターはどのパーツが一番重要」だとか「逆にこのパーツでは気を抜いていい」だとか、そう言う問題ではないことが分かりますよね?
セールスレターは細部に渡り全てが重要で、全てを高いレベルで作成してはじめて1つの信頼性が生まれるものだと考えています。
第四章:セールスレターのヘッドコピーライティング
多くのセールスコピーライターは、「セールスレターで一番重要なのはヘッドコピー」と言います。実際、ヘッドコピーが優秀であればセールスレターは大体売れるものになります。
「後に続く文章が適当でも問題ない」という意味ではなく、「ヘッドコピーだけでバンバン商品を売る事が出来る」という意味でもありません。
ヘッドのコンセプトに誘導される形で流れに乗って執筆を進めることができるからです。ですから、僕の場合はセールスレター執筆に着手してすぐにヘッドを90%以上の完成度で書きます。
そしてこれはかなり特殊な手順かも知れませんが、ヘッドコピーを書いた後、本文に入ってスムーズに執筆が進まない場合に、はじめてヘッドコピーを見直します。
そういう場合は、読み手の悩みや希望、欲求を書き表したボディパーツの文章がヘッドコピーで予告した内容とズレている場合がほとんどだからです。
こういう手順で書いていくと、ヘッドコピーとセールスレターの流れの温度差を無くしていくことができるんですね。
あなたもヘッドコピーはやたら魅力的なのにメイントピックに入ると一気に現実的な話が展開されたり、それとは逆に現実離れし過ぎて明らかに胡散臭い内容になっているセールスレターを見た事がありません?
この時に生まれる「がっかり感」ほど成約率を下げる致命的な原因はありませんので、その為に上記の手順で僕は書いています。
また、「なぜヘッドコピーが大切なのか?」についても触れておきます。
ヘッドコピーはセールスページ全体の「予告」に過ぎない
理由はとてもシンプルなのですが読み手が「セールスレターを読む気になるかならないか?」がヘッドコピー部分に委ねられているからです。
要するに興味を喚起させるパーツであり、ここで「自分には不要なページだ」と思われると内容が優秀であっても読んでもらえないため、ヘッドは重要視される訳です。
しかし逆に、それ“しか”役割を担っていないという見方もあります。
読み手はヘッドコピーを見て「このページを読んでみよう」と決意した後、必ず“メイントピック”を読みます。
普通はヘッドパーツからいきなり申込ボタンまでスクロールしてクリックすることはありません。誰もが100%の安心感は得られないであろうことを薄々理解しながらも「これなら買って大丈夫」という確信を求めているのです。
なので結論を言うと「ヘッドコピーはもちろん重要だが、そこまで大事、大事と、意識しすぎる必要はない」ということです。
大切な心がけはヘッドコピーの完成度を限界まで上げ、そのレベルのままメイントピックを書き進めること。この認識がなければヘッドだけが妙に立派な逆三角形型の尻すぼみセールスレターが仕上がってしまいます。
「足し算」と「引き算」を使いヘッドコピーを磨き上げる!
人間の心理はとても複雑ですが “セールスレター”に限定した人間心理は面白い位簡単に、把握し、また誘導することができるようになります。
しかも算数・数学レベルの簡単な計算と、物事を一歩深く踏み込んで考える癖を身につければ誰でもできるのです。因数分解ができなくても問題ありません。足し算と引き算が出来れば結構です。
このように考えて頂ければわかりやすいかと思います。
では早速、例を挙げて解説しますね。
例:『何をやっても痩せられなかった私が
ほんの数日間“あること”をするだけで10キロの減量に成功!
その方法をこれから公開します』
例えばこんなキャッチコピーがあったとします。
別にこのキャッチコピー自体は悪い訳ではないかなと個人的に思います。無難だと思いますしターゲットを絞ってお客さんを集めてセールスすれば反応はありそうな気がします。
でも“頭一つ抜きんでた印象”はありませんよね?それに退屈な感じがします。競合との差別化ができていない、もしくはノウハウの特別感がないからこうなってしまうんです。
そこで、上の例のように「何か物足りないな」という時に足し算を使ってコピーを強化してみましょう。
ここでは強化のポイントを4つほど抜き出します。4つのポイントは、今回は、
◆誰が?
◆どれくらいで?
◆何をして?
◆どうなった?
上記に絞ります。
ヘッドコピーの足し算4つのポイント
・自己の経験が土台となっている
・読み手が挫折を繰り返していたとしても希望が持てる
強化する材料
・具体的に何を“やって”痩せられなかったのか?
・フィットネスジムで週2日ハードな運動
・「厳しい食事制限」を表現
・効果が即効性のあるものだというイメージ
・お手軽感がある
強化する材料
・実際、“何日で”痩せられたのか?
・実体験がベースとなっている場合、具体的な日数を示せるはず
※例として“10日間”で設定する
・かかった日数、減量の数字と比較した時、簡単さがイメージできる
・面倒なことをしたくない。努力や苦労をしたくない層に有効
強化する材料
・“あること”をもう少し具体的にする
・「実際どんなことをするの?」という疑問に対する小さな回答を示す
・例として「TVを観ながらでもできる簡単で特別な運動」とする
・数字を出すことでリアリティを持たせる
・日数との比較。短期間で大きな成果が出たという期待
強化する材料
・全体を見直し、数字のバランス、現実味を再考する
・10日間で10キロはできすぎているし、自身の体験ならもう少し具体的に書けるはず
※例として「9.2キロ」とする
だいぶ具体的なキーワードが出てきましたね。では次に、この4つのポイントを考慮して、先ほど例に挙げたヘッドコピーを修正してみましょう。
足し算後に修正したヘッドコピー
出揃った情報をもとに修正を加えるとこうなります。
フィットネスクラブで週2回ハードな運動をしても・・・
大好きなスイーツを我慢して食事の量を減らしても・・・ 全く痩せられなかった私が わずか10日間、TVを観ながらでも取り組める簡単で“特別な運動”を するだけで9.2キロの減量に成功! その方法をこれから公開します。 |
最初のヘッドコピーと比べた時に大きく印象が異なるのがわかると思います。元々題材となっているコピー例は“著者の体験談”が土台となっていますよね。
その割には『個人のストーリー』というイメージが湧きません。
なぜかと言うと、普通の人の感覚として「本当に体験した内容をセールスレターにするなら、必ずできるだけ詳しく書こうとする」からです。
その点、足し算で要素を付け加えた後のレターは『個人のストーリー』だという印象が持てます。
この手法はセールスレターのデザイン構成やストーリー、商品のカテゴリに左右されることなく常に有効です。まとめ上げる技術やアイデアがその都度必要になってきたとしても、十分なリサーチを行うことで必ず形にすることができます。
足し算で強化したヘッドコピーを今度は引く!
足したり引いたり面倒くさいと思うかも知れませんが、これは結構重要な考え方です。
というのも、ヘッドコピーの直下にはスリップインがきますが、このスリップインがヘッドコピーの繰り返しになってしまっているケースが多く見受けられるからです。先ほど作った足し算ヘッドコピーを使って極端な例を挙げます。
≪ヘッドパーツ≫
フィットネスクラブで週2回ハードな運動をしても・・・ 大好きなスイーツを我慢して食事の量を減らしても・・・ 全く痩せられなかった私が わずか10日間、TVを観ながらでも取り組める“特別な運動”をするだけで 9.2キロの減量に成功! その方法をこれから公開します。 ≪スリップインパーツ≫ 「嘘!?こんなに簡単に体重が落ちるなんて・・・」 最初のうちは体重計が壊れたんじゃないかと思ったくらいです。 今まで何をやっても体重が1キロ減っては戻り、2キロ減っては戻り・・・ そんな私がたった10日間で9.2キロもの減量に成功できたのはなぜか? ポイントはこれからお話する本当に簡単な人間の体の秘密にありました。 |
上のスリップインが繋ぎの役割を担っているように思いますか?
そうですよね。繋ぎどころかオウムのようにヘッドコピーと同じことを繰り返しているだけですので、セールスレターの重要な掴みの段階で導入してもデメリットにはなれどメリットにはなりません。
では、こういう初歩的かつ致命的なミスを回避するためには、どうすればいいのか?
簡単です。
ヘッドコピーとスリップインを分けずに「ヘッドからスリップインまでをヘッドコピー」として考えれば良いのです。
その為に先ほど作った足し算ヘッドコピーの中から要素を1つ抜き、スリップインに振り分けてみましょう。
今回は「TVを観ながらでも取り組める“特別な運動”」を抜きます。
ヘッドコピーから要素を抜きスリップインに振り分けた例
≪ヘッドパーツ≫
フィットネスクラブで週2回ハードな運動をしても・・・ 大好きなスイーツを我慢して食事の量を減らしても・・・ 全く痩せられなかった私が わずか10日間、“あること”をするだけで9.2キロの減量に成功! その方法をこれから公開します。 ※補足説明 つまり、“足し算”の部分で強化した内容を元に戻すと言うことです。そうして不足感を演出します。今回は「“あること”って何だよ・・・」という形ですね。これは「あること」という部分以外が詳細に書かれているからこそ成り立ちます。全ての部分が説明不足の場合「あること」の部分への注目が十分に集まりません。 ではスリップインに入っていきます。 ≪スリップインパーツ≫ 「私は10日間、ただTVを観ていました・・・」 本当にそれしか記憶にないくらいです。 それだけこのダイエット法に運動している感覚はありません。 「こんな方法で本当にやせられるの?」 はじめて数日はそう思っていました。 でも4日目あたりから少しずつ体に変化があらわれて・・・ 実はこの方法で痩せられるのには医学的な理由があったのです。 その理由とこのダイエット法の全て、なぜ私がこのダイエットと巡り合えたのか? これからお話していきたいと思います。 |
これによってヘッドコピー⇒スリップインまで滑らかに繋がり、2つのパーツそれぞれが意味を持ちました。
売れるセールスレターを書くにはまず素材をセットせよ!
この“素材のセット”に関しての重要性については説明するまでもないものと思います。
セールスレターと言う文書は、完全創作ではありません。
商品・サービスがあり、
企画背景があり、
モデルとなる著者がいます。
もちろん読み手の感情や欲求も書き表す必要があるのでリサーチしなくてはなりません。
セールスレターは“作る”と言うよりもそれらの“素材を加工し組み立てる”作業に近いと思います。
決してあらかじめ定められた条件を無視し、セールスライターの一人よがりな文章にしてしまってはいけません。
その為にはしっかり素材を確認し、セールスレターのパーツとして何を割り当てるかを事前にセットしておく必要があります。
ヘッドコピー作成に関する記事ならこちらもオススメ
たった一文の修正でコンバージョンが劇的にアップ!ほんの少しキャッチコピーを変えて成約率を上げる方法
第五章:セールスレターのボディコピーライティング
では次はボディコピーのコピーライティングについてお話していきますね。
ユーザーを惹き込むストーリーテリング
セールスレターを通して読者に向けたメッセージの中に多少の違和感があったとしても大抵の場合許されます。読み手はメッセージに込められた「意味を受け取ること」に意識が強く働いているからです。
しかしストーリーは相手に実体験を話すので、その話に真実味があり、“本当かどうかを探る”ことに意識が強く働きます。その時に違和感があったら、ストーリーを導入すること自体がデメリットになってしまうのですね。
「この人は嘘をついているかも知れない」
「共感を得るための作り話だ」
と読者に思われてしまう可能性があります。
あまり練り込まれずに作られたセールスレターのストーリーはある程度完成度が高くても見る人が見ればすぐにわかります。
そういう場合は、上手く話が作られていることが逆に違和感となっているのです。
大体頭の中にスッと浮かぶストーリーと言うのは、記憶の中にある“どこかで見かけたストーリー、風景、シチュエーション”の場合がほとんどで、それは面白いことに大抵の人間に共通する記憶でもあります。
つまり練らずに作られたものほどベタな話になっているかもしれないと疑わなくてはいけません。
わかりやすく言うとこんな具合です。
ずいぶん酷いことを言ってしまった。
電話にも出てくれない。
だから彼女の家の、彼女の部屋の下で窓から顔を出してくれるのを待つ。
気づいてくれるまで夜通し待つ覚悟だ。
そのうち雨が降ってきた。だんだん雨は勢いを増し豪雨へと変わる。
何時間待っただろうか。
その時彼女が窓から顔を覗かせて自分の存在に気づく。
傘を持って外に出てくる彼女。
長時間雨に打たれたせいで熱がある気がする。
しかし彼女と仲直りができたのでそんな事は問題ではない。
もうあんな事を言って彼女を傷つけるのはよそう・・・」
かなり寒いシチュエーションですが(笑)
でも大体の人が知っているシチュエーションでもあり、想像するのは難しくありません。さすがにここまでベタなストーリーをセールスレターで見かけたことはありませんが、近いものはたくさんあるように思います。
単なる思いつきでストーリーを構築すると言うことは極論、上のような“出来過ぎた話”がいつ発生するかわからないリスクがつきまといます。
「上手く説明はできないけど何だか嘘くさい」
こういう場合はどこをどう修正すれば良いのか把握できない事がほとんどです。全てゼロから書き直し、納期ギリギリまで時間を執筆に費やす結果になりかねません。
ならばどうすれば真実味のあるストーリーを失敗なく書き続けることができるのか?
確実な方法はメインの人物とその取り巻きを『徹底的に掘り下げる』ことです。
実は、現実的なものであればあるほど描写されにくい傾向にあります。あまりに平凡である為、文章や映像にされることが少なく、仮に偶然見かけても記憶に強く残らないのです。
リアリティのあるストーリーの作成方法
試しに一人の主婦のストーリーを作ってみましょう。
・家族は何人いますか?
・旦那さんと子供は何歳ですか?
・血液型は何型ですか?
このように掘り下げて特殊な言い回しを練り出します。
例えば旦那さんと主婦が互いにO型であれば、原則O型の子供しか生まれません。しかしここで子供を「B型のような性格の純粋なO型」に設定することで現実的でありながら、特殊な演出素材が1つできあがります。
文章にして使うか使わないかはともかく、そういう特殊な設定を複数用意しましょう。ストーリーを構築する上で要素が足りなければどんどん掘り下げます。
・子供のことは何と呼んでいるのか?
・旦那の収入はどれくらいか?
・旦那の会社の役職は?
・夫婦は共働きか、妻は専業主婦か?
・何LDKの家に住んでいるか?
・何時に起きて何時に寝る?
このようにとことん掘り下げてください。
妻と旦那の呼び方次第で、二人の会話の方向性は決まります。妻が専業主婦で旦那が平社員、収入が少し低ければ公営団地に住んでいるかも知れませんし社宅の可能性もあります。
もし専業主婦なら寝る時間、起きる時間は旦那に合わせる形になるでしょうから、妻が行動を起こす時間帯がある程度定められます。
こうしてまとめ上げた素材を使って構築していくことによって、現実味のある主婦のストーリーが完成します。作業としては地味ですし、設定の大半は使われないことが多いですが、文章として表現されなくともリアルな執筆の基盤として必ず機能します。
購入者の声を紹介するタイミングで売上は大きく変わる!
セールスレターでは必ずと言って良いほど「購入者の声」が掲載されます。が、これはただ安易に隙間を見つけて適当に差し込めば良いというものでもありません。
「とりあえずヘッドコピーの下に2~3個載せて・・・」
「ベネフィットの前あたりでも2~3個載せて・・・」
「あとは入れる場所がないから追伸の後ろでいいや」
こういう使い方をしてしまうと相当もったいないです。
そもそも購入者の声と言うのはコピーライターとして、販売者としての立場ではルールとして書いてはいけない言い回しも、かなりの範囲で許容される大きな武器です。
「100%効果があります」
怖いですね…後に大きなクレームとなる事が予想されますし、薬事法的に余裕でアウトです。
「100%満足です!」
「※個人の感想であり効果・効能を示すものではありません」の注意書きをすればこういう見せ方が出来ます。
もちろん、購入者の声は客観的なものですから、ライターや販売者が望むような声が集まらない可能性もあります。
しかし、時としてライターの力では表現し切れないレベルまで読み手の信頼感を高められるパーツになりますので、扱い方は慎重を期さねばなりません。
購入者の声の適切な使い方はこう!
では購入者の声をどうやって取り扱うか?具体的に説明していきます。
1・文章をチェックする
基本的にお客様から頂いた声をライターはいじらない事です。「てにをは」を無視した若干ヤンチャな文章だとしても、意味が通じる範囲であれば拙い文章がリアリティを生み出す貴重な素材になります。
逆に「文章がなっていない」という理由でライターが大きく修正を入れてしまうと、そのライターの個性が多分に出てしまう事も考えられ、文章クオリティが高くても疑惑の残る“声”になってしまいます。余程のものでない限りは、
1・文章の意味が重複するものをカット
2・誤字、脱字修正
この2点に留めておく程度でOKです。
2・購入者の声にタイトルを付ける
例えばこんな購入者の声が集まったとします。
この時、声の中から印象に残る言葉をピックアップしてタイトルを付けます。
今は発音を勉強中ですが、マニュアルの中に書いてあったコツを使って1日少しずつ頑張っていこうと思います!とても満足しています!ありがとうございました。
ここで『身近にあるものが習得の秘訣!』のようなタイトルを付けると「どこから出てきた言葉なんだ?」と勘繰られ、ライターの修正が内容にもしっかり入った購入者の声だと思われてしまいます。
3・購入者の声の内容とレターの流れをリンクさせる
例えば、先ほどの購入者の声である『身近にあるものを利用して覚えていける方法は本当に役に立ちました』を掲載する直前に、身近にあるものを利用した覚え方に関して言及するパーツを配置するという事です。
セールスレター全体に散ってしまうとインパクトが薄れてしまいますので、決め手となるノウハウの配置はある程度固め、まとめてみせた方が有効です。
効果的にベネフィットを羅列する
ベネフィットとは商品を購入、またはサービスを受けることによって得られるメリットのことです。これを羅列したパーツのことを「ブレット、またはボレット」と呼びます。こんな感じのパーツです。
✔ベネフィットを効果的に羅列する方法とは? ベネフィットはただ適当に並べるだけでは不十分です。実はこれ以上なく効果的な並べ方があるのです。その秘密を公開します!✔ブレットの数はどれくらいが一番いいのか? ベネフィットは弾丸を連射するようにユーザーのメリットを多数並べる事で魅力を伝えるパーツです。では、何個メリットを並べるのがちょうどいいのか?その答えのヒントは意外な所にありました。 |
見た事ありますよね。
このベネフィットを効果的に羅列する方法ですが基本のポイントは3つ覚えておいて下さい。
ベネフィット羅列3つのポイント
2・ベネフィットは15個以上羅列する
3・ベネフィットは価格の前に伝える
1の主語を読み手個人に設定するというのは特に問題ないでしょう。おそらくセールスレターの最初から最後まで「あなた」に向けた文章になっていると思います。
2の「ベネフィットは15個以上」は人によって様々です。10個で良いと言う人もいれば、7個あれば大丈夫と言う人もいます。ただ、メリットは単純に多ければ多いほど見栄えが良いし読み手に喜ばれるのが事実です。ですので僕の場合は平均値の中でも高めの15個を最低限のボーダーラインとしています。
3の「価格の前に伝える」に関してですが、例えば“何に使うかわからない1万円の商品”は純粋に「高い」と感じるはずです。しかし“自分の願望を叶える1万円の商品”であれば、「少し高いけど欲しい」、もしくは「それなら安いもんだ」となりますよね。
セールスレターの場合、「高い」と感じた次の瞬間ページを閉じられる危険性があるので価格提示の前に必ずメリットを羅列する訳です。
応用ブレット配置法:15個のベネフィットは強力な内容で挟み込む
15個ベネフィットを羅列するなら、最初の3つと最後の2つに、商品・サービスの肝が来るように作成するようにしてください。これには3つの理由があります。
1・メリットにも優先順位がある
たくさんのメリットを書き連ねる中で、「どれもこれも最高!」であることは極めて稀です。『これは喉から手が出るほど欲しい』と思うメリットがあったり『あったらあったで便利だな』程度のものもあるはずです。
2・読み手はメリットがたくさんあるから買うのではない
心に響くメリットが幾つかあり、他にもメリットがたくさんあるから買うのです。つまりメリットの数はお得感の演出、最後に背中を押す為の役割を担っています。
3・メリットの全てを熟読する訳ではない
メリットと内容に触れる説明書きを15個書いていくとベネフィット羅列パーツはかなりの長さになります。
ブレットの全てに読み手が目を通しているとは考えない方が無難です。傾向としては、
ベネフィット羅列に入り、最初に表示された3つは読まれる率が特に高い↓
その後スクロール ↓ ベネフィット羅列の終わりに表示される2つは読まれる率が高い ↓ 決済付近でベネフィットに戻り全てに目を通す |
つまり強力なものほど最初に、次に強力なものを最後に、あると便利なレベルのものを中間に持ってくるように構成することにより、ライターやクライアントが最も強調したいメリットを伝えきれる確率が飛躍的に向上します。
この事を理解すればただ闇雲にベネフィットを書き並べているライターや、最後に向けてどんどんテンションの高まるブレット構成をしているライターに大きな差をつけられる筈です。
第六章:セールスレターのクローズコピーライティング
いよいよレター執筆も後半、売り上げに直結するクロージングパーツのライティングに入っていきます。クロージングとは顧客と契約を締結するためのパーツであり、そのクロージングでの成果を最も大きく左右するのがクロージングコピーです。
成約率を大幅に下げる価格の見せ方
商品やサービスをオファーする時はユーザーに価格を案内する必要がありますが、その価格の見せ方一つで大きく結果は異なってきます。
まず、成約率が大幅に下がってしまう価格の見せ方について、例を出して冷静に考えてみましょう。
だから本来は数10万円の価格でも安い位です。
ですが今回あなたが○○であることを考慮して悩んだ末、19800円でご提供することにしました」
「本来、安くても数10万円」するのに敢えて19800円で販売を開始する自然な理屈は存在しません。そもそも値下げ後の価格と適正価格の開きが大きすぎて不自然です。
仮にSONYが「このテレビは開発費、人件費を合わせると数100億かかっており、入手すれば長期に渡って有意義な情報映像を受け取れます。なので本来~」という理屈を言い出したら驚きませんか?
それと同じ驚きを感じてもおかしくない言い回しとも言えます。もう一つご覧下さい。
専門分野の知識を得る為にはある程度の金額はかかるのです」
これも少し前に良く使われていましたがおかしな理屈です。
1時間5000円の相談料は、“その専門家一人の時間を拘束するから発生する料金”です。それに対して売れれば売れるだけ収入に繋がる情報販売は、商品を作りセールスページを配置するだけなので、比較の種類が異なることがわかると思います。
強い痛みや悩みを抱え、すぐに解決策を手に入れなくてはならないと感じている読み手であれば深く考えることはできないかも知れません。しかしそこまで焦っていないユーザーで、考え方が少し深ければ、これまでのセールスレターの流れで順調に誘導できていたとしてもここで一気に興冷めしてしまいます。
ではどうすれば読み手の疑念をかいくぐるスムーズかつ効果的な価格提示ができるのか?
セールスレターで自然に価格を見せるには「比較」に気をつける
価格を見せる時に気をつけるポイントは2つです。
2・「価格対未来」の比較は読み手の想像に任せ、誘導に留めること。
1つ目は、先ほどの「専門家に相談した場合~」でも触れましたが、ジャンル、形式の異なる2つを並べて比べると、どうしても無理が生じてしまいます。
比較の対象はジャンルだけでなく、形式もある程度一致するものでなくてはいけません。
2つ目は簡単な例を実際にご覧ください。
悪い例)
「このノウハウを使えばあなたは好きな時に好きなだけ稼げるようになります。だから本来は数10万円の価格でも安い位です。ですが今回あなたが○○であることも考慮して悩んだ末、19800円でご提供することにしました」
良い例)
「このノウハウを使えばあなたは好きな時に好きなだけ稼げるようになります。数10万円~数100万円、さらに上の収入を手にすることも決して不可能ではありません。販売記念価格:19800円(価格パーツ)」
この二つの例が読み手に伝えている内容はほぼ同じものであり、上記から読み手は同じ未来を想像します。違うのはニュアンスです。
後者は“それだけのものだから当然”のようなスタンスで価格を提示しているのに対し、前者は「これは本当にお得ですよ!」という見方によってはある種、鼻につく売り込みと、ちょっと無理やりな価格決定の背景がチラつきます。
アプローチの範囲を広げ、より多くの読み手をターゲットに書くセールスレターにおいて、余計な感情や疑念を刺激せず、シンプルに「未来と未来への自己投資金額」を比較できるのは圧倒的に後者です。
リスク保証の見せ方
リスク保証は価格パーツの上か下に枠で囲われて導入されるものだったりヘッドパーツの真下に「効果がなければ即返金!」などを大きく載せるだけが全てではありません。
あなたが購入者の立場で自身のセールスレターを推敲した時、「ユーザーはこう思うかも知れない。そしたら成約率が落ちるかもしれない」という思いにぶつかることがあると思います。
それが、読み手が感じる可能性のある“リスク”です。そのリスクに対するあらゆるフォローがリスク保証になります。
「どんな保証が最も有効か?」「他にどんな保証が必要なのか?」は、その教材に関して読者が感じている悩みや疑問をリサーチすれば分かります。
「内容を確認しないとわからない」⇒返金保証
「CDが割れたら&音声データが壊れていたらどうしよう」⇒破損保証
「雑音が入っている不良品だったら・・・」⇒品質保証
リスク保証とはただライバル商品に競り負けないように付ける為のものでも、単に「皆がやっているから」という理由で付けるものでもなく、リスク保証を通じてユーザーの信頼を得て、決済を近づけるための要素です。
クロージング周辺での離脱率が高い時の対処法
クローズコピーまでセールスレターが読まれているということは、そのレターや商品の特徴・メリットが十分読み手に伝わっていると考えられます。そこに来てページを閉じられるのであれば、これ以上商品に関する内容をしつこく反復しても仕方ありません。
クロージングパーツで“セールスレター内の私”に共感が集まるようにショートストーリーを入れ込み強調して下さい。配置するポイントはベネフィットの羅列よりも少し後、追伸の上辺りに位置します。
ボディコピーのストーリーや追伸が“あなた”に向けて書くものであれば、クロージング部分でのショートストーリーは“私”の気持ちにのみ特化して体温が伝える感覚で書く。これがコツです。
以前の私は“朝”がとても不安でした。
「昨日も何も変えられなかった…」と気づいてしまうからです。 そして玄関先に朝刊を取りに行く時にいつも新たに決意し直すのです。 「今日こそは何としても前進してやる!」と… 『しかしその手段が見つからない』 結局その繰り返しで長い期間を過ごしてきました。 私は強くはなく、偉くもありません。 臆病で、打たれ弱く、自分に甘いごく普通の人間です。 だからあなたにこうしてメッセージを書くことにしました。 あなたが決して特別ではない“ごく普通”の人間なら 今、私の手元にある『手段』さえあれば、暗い日常から抜け出せることを 私はとてもよく知っているからです。 |
淡々と商品やサービス説明に徹してきたセールスレターであれば、特に上記のような文章をクロージングに配置する事は効果的です。
第七章:セールスレターの追伸をライティングする時のポイント
セールスレターの最後、追伸です。追伸では「最後に最も伝えたい事」や「念を押しておきたい事」などを書きます。
セールスレターが「人間」なら、追伸はその人間が発する「言葉」
このページの前半でも言いましたが、セールスレターと人間の身体の構造は一緒です。
その構造のどこか(ヘッドコピー・ボディコピー・クローズコピー)に1つでも問題があれば必ず不調が生まれ、他の機能にも悪影響を与えてしまいます。各パーツの優先順位を決めて執筆するのではなく、全構造に力を入れて、あなたがベストだと思う「人間」と「人格」を作り出すべきです。
そしてその「信頼のおける人間」が完成した最後に、読み手へのメッセージとして「追伸」を使ってください。
セールスレターをリアルな人間として置き換えて考えてみれば分かる事ですが、初対面の人に魅力を伝えるためには“人と為りを知ってもらうこと”が重要です。
効果のある追伸の書き方
メッセージ性の高い「追伸」を書き上げるためには、読み手や商品に対する著者の胸の内をストレートに伝えることが効果的です。ここで感情を乗せることによって、著者の人と為りが読み手に伝わり、それまでの構成との相乗効果が生まれます。
注意点としては、不安要素や読み手の自由を制限するようなことを書くのは出来るだけ避けるようにしてください。
もしまだ決断できていないならページを閉じていただいて構いません。
この言い回しを安易に使ってしまうと、それまで高まっていた購買意欲を下げてしまったり、そのフレーズを目にした事によって読み手に考える時間を与えてしまい、本当にページを閉じられる可能性が急速に高まります。
例えばあなたが前から欲しいと思っていた商品を見に行ったとしましょう。
店員にメリットや価格について説明を受け、おまけのポイントも付けてくれることになりました。
「この商品があればたしかに便利だな~」
「でもどうしよう?」
店員に勧められた商品が良い商品であるということを理解していても、「必ず買う」と決めて見に行ったわけではない場合、少なからず迷いの気持ちが生まれるものです。そんな時に、
「最近よく売れている人気商品なんですよ。これが最後の1点です」
「他の商品も見たければどうぞ」
言われて買いたくなるのは、まず間違いなく前者の方ではありませんか?
“他の人もよく買っている”、“次に来たらもう売り切れているかもしれない”という心理から導かれる商品イメージは“市場性に優れ希少性のある商品”です。
思わず購入してしまう人もいるのではないでしょうか。
しかし後者を受けて「いや、これにします。決めました」とはなかなかなりません。
迷う気持ちがある中で他のルートが示されると、その迷いは一層強くなるものです。
「もっと安くて良いものがあるかも」と考えて、その場での購入を見送る人が多いと思います。店員の態度をみて「なんかそっけないな」と思う人もいるかもしれません。
このように購入者の背中を押すメッセージというものは、そのセールスレターや商品、著者の印象にも影響を与えます。
また、これまで長いセールスレターを読んできた読み手の心理を考えると追伸はできるだけ短くすることが感情をストレートに伝える秘訣だと思います。もし伝えたいことが複数ある場合は、まずは要点をまとめて、
・メッセージ性のあるもの
・限定数や緊急性などの煽り
・保障などの安心性
などをそれぞれ分けて書いていけば問題はありません。
なぜ分けて書く必要があるのか?と思う方もいるかもしれませんが、これにも読み手の心理を考えた上での理由があります。
言いたい事が複数ある時は、追伸、追伸2、追伸3…と重ねてリセットする
追伸は伝えたい事を無理やり1つにまとめて書くよりも、“追伸1”、“追伸2”や、“PS.”、“PPS.”といったように伝えたい内容をそれぞれ分けて書いていくことによって、読み手の意識も切り替えることができます。
例えば以下のような流れで追伸を分けたとしましょう。
読み手に対する作者の誠意、モチベーション喚起などのメッセージ
追伸2
緊急性の打ち出し
追伸3
特典や保障の強調
このように段階的にメッセージを投げかけることによって読み手の心理は、
購買意欲が高まる
追伸2の効果
購入する気持ちが固まる
追伸3の効果
商品自体のメリットの他にも安心性があることで納得した上で決済ページへ
というように働いていきます。
もしこれらのメッセージが1つにまとめて書かれていた場合、前後のメッセージを繋げるための文章が必要となるので、伝えたい内容がどうしてもぼやけてしまいます。
そうなると追伸としての役割がしっかりと機能していないものになるため、同じような内容であっても成約率に大きな差が生まれるのです。
第八章:セールスレターを書くための5つの素材セット法
では、実際にセールスレターを書く時に、どのように情報を整理し素材をセットしていくべきか?
その具体的なやり方について最後にご説明しておきます。
1.読み手に対してあなたが求める行動は?
・商品の購入なのか?
・サービスの購入なのか?
・システムの導入なのか?
・無料レポートの申込なのか?
・メールセミナーの購読なのか?
あなたにとっての目的が成約という点ではどれも同じですが、読み手にとっては行動の規模が全く異なります。 それによって文体や構成に変化を持たせる必要があります。 |
2.商品が持つメリット・デメリットは?
・競合と比較した時、価格は高いか?それとも安いのか?
・一度手に入れればどれ位の期間効果が続くものか?
・希少性は高いか?商品優位性はどこにあるか?
・サポート・フォローはどの範囲まで効かせられるのか?
・商品“自体”の細かなメリット・デメリットはいくつ書きだせるか?
特に商品自体のメリット・デメリットはさらに派生させて下さい。
例:お金稼ぎ) メリット デメリット |
3.競合他社はどのレベルを意識すべきか?
・大手企業か?
・中小企業か?
・個人か?個人であれば権威か?専門家か?経験者か?
・別分野が競合となり得る場合はあるか?
市場リサーチの結果次第ではセールスレター形式にするか? またはそれ以外のサイトが適切か? 制作そのものを考える必要性が見つかるかも知れません。 |
4.読み手が抱えている最も大きな感情は?
・痛みが強いのか?
・悩みが強いのか?
・欲求が強いのか?
・安定を求めているのか?
・飛躍を求めているのか?
複数該当することが考えられるので優先順位をつけた上でさらに派生させて下さい。
例)痛みが強いなら「“なぜ”痛みを感じているのか?」 全くアクセスが増えない(アクセスアップ) 一時的に体重が落ちてもすぐにリバウンド(ダイエット) 日本人英語でネイティブに通じない(英語)etc |
5.読み手の主なターゲット層は?
・男性が多いのか?
・女性が多いのか?
・若年層が多いか?熟年層が多いか?
商品の特性によってさらに絞り込めます。
例) 将来に不安を抱える20代の男性(資格取得関係の商品等) ファッションに敏感な10代の女性(比較的安価な美容関係の商品等) 体に不調を感じている50代の男女(健康関係の商品等) |
この5つを徹底的に深堀りしてみる
1.読み手に対してあなたが求める行動は?
2.商品が持つメリット・デメリットは?
3.競合他社はどのレベルを意識すべきか?
4.読み手が抱えている最も大きな感情は?
5.読み手の主なターゲット層は?
簡易的なペルソナ作成も含んだ作業になっています。
この5つを徹底的に考えることで、良い素材はさらに深堀りすることが出来るし、逆にあまり深堀りすることの出来ないものはカットするか優先順位を下に回した方が良い素材と位置付けることができます。
この作業はかなり脳が疲れるのですが、セールスコピーライティングになれない段階でこの作業を怠るとほぼ確実にセールスレターにブレが生じます。
しかし、慣れてくると作業スピードも上がり、最終的には文章にして書き出さなくとも頭の中である程度は理解できるようになりますので、スキルアップの一貫と考えて取り組んで下さい。
まとめ
いかがでしたか?
セールスレターの書き方はとても奥が深いですが、全てを知るにはまず基本から。
今回の記事にセールスレターの大まかな構成と書き方のコツを記してありますので、それを参考にして頂きつつ理解を深めていって頂ければ嬉しく思います。
それでは!