今回は多くの人が騙されるライティングの錯覚についてお話したいと思います。
あなたはDHMO【Dihydrogen Monoxide(ジハイドロジェン・モノオキサイド)】という液体をご存知ですか?
和訳すると一酸化二水素。
もしあなたが科学に関する知識に長けているのなら既に耳にした事があるかもしれませんね。
この液体は、溶媒や冷却材などに使用される液体で、私たちの生活にはなくてはならない重要な存在でありながら、使用方法を間違えると、私たちに害を及ぼす非常に危険な存在でもあるのです。
ライティングマジック例:【DHMOの危険性】
液体とライティングに何の関連性が?と不思議に思うかもしれませんが、以下をご覧下さい。
■酸性雨の主成分となっている
■重篤な火傷の原因となり得る ■様々な物質の腐食を進行させ、錆びつかせる ■各種のジャンクフードや加工品、その他食品にも大量に使用されている ■大量に吸引すると死亡する事もある |
いかがですか?
ここまで私たちの人体に悪影響を及ぼす危険性がある液体の元素記号、それはH2O。
ただの『水』です。
つまりDHMOとは、ただ水の言い方を変えただけのものなんです。
「騙したな!」と怒る方もいるかもしれませんが、ここまでで私は何一つ“嘘”は言っていません。
例えば…
■酸性雨の主成分となっている ⇒雨の主成分は水ですから、間違いではありません。 ■重篤な火傷の原因となり得る ■様々な物質の腐食を進行させ、錆びつかせる ■各種のジャンクフードや加工品、その他食品にも大量に使用されている ■大量に吸引すると死亡する事もある |
このように、ただの水でも危険な要素だけを切り取って紹介すれば全く違う存在に見えてしまうものなんです。
実は、これは1990年にアメリカで考えられたジョークで、その後14歳の少年に「人間はどのように騙されるのか」という調査で用いられて話題となり、世界中に広まったものです。
この少年は、ただの水をDHMOという名称と化学物質に置き換え、危険性をにおわせる否定的な説明文を付けて大人50人にアンケートを行いました。
すると、このような結果になったのです。
なんと、水を規制することに「賛成」だと回答した人が43人もいたという驚きの結果となったのです。
そして、DHMOがただの水だと気づいた人はたった一人しかいなかったそうです。
このように、言い方や説明の仕方を変えるだけで、どんなものでもイメージを変える事ができます。
これと同じように、統計を利用した事例で言えば「パン」を題材にしたジョークが有名です。
【パンの危険性】
■アメリカの犯罪者の約98%はパンを食べている
■アメリカの凶悪犯罪の約90%が、パンを食べてから24時間以内に起こっている ■パンを日常的に食べて育ったアメリカの子供の約半数はテストが平均点以下である |
これらも一切嘘は言っておりません。
ただ、少し考えるだけで分かる「当たり前のこと」なんです。
日本人に当てはめれば「お米」だって危険な食べ物になってしまいます。
面白い言い回しが、「約半数はテストで平均点以下を取る」というくだりですね。
当たり前です。
アメリカ人は日常的にパンを食べて育っていますから、そこから約半数と言われても全体数からの平均となんら変わりはないのです。
ライティングにも応用できる言葉のマジック
もう薄々お分かりだと思いますが、これを利用する事によってライティングを強化する事は可能です。
そして、この事を知りご自身の安全を確保して頂きたいという思いから今回記事にしました。
この言葉のマジックで本当に恐ろしいのは、逆の使い方。
つまり、悪いところを隠し、良いところだけを見せる方法にあるのです。
今、世に出回っている詐欺の殆どが、名前を変え、見せ方を変えて、全く同じような手口を何度も繰り返し流している状態です。
それらの悪玉を完全排除するには、一人一人が詐欺師特有のやり方というものを見極めるチカラを身に付けるしかないありません。
特にネットを介した詐欺の代名詞的存在であるワンクリック系は本当に次から次へと新しい仕組みを作って罠を仕掛けてきますので注意して下さいね。
ここまでネットインフラが進んだのだから、いい加減国が何らかの規制を敷いてほしいものですが、いくら規制をかけてもそのスキマをぬって襲い掛かるのが犯罪というものです。
もし、あなたが情報を得たい立場にあるのなら、ぜひこの知識をだけはしっかりと心に留めておいてください。
そして、情報を発信する立場にある方は、今回の知識を何らかのヒントにして頂ければ幸いです。