「キャッチコピーの力だけでセールスコピー全体の数字を大幅に動かす」これは通常、なかなかできることではありません。なぜなら、キャッチコピーの位置づけは文章を読ませるための「踏み台」以上のものではないからです。
それに後に続く文章の存在感がキャッチコピーのインパクト“以下”であれば、その温度差によって読者のテンションは急激にシフトダウンしてしまいます。 しかし、ある一定の条件を満たした上であればキャッチコピーを一文差し替えれば、成約率が一気に向上する事があります。今回はその事についてお話しようと思います。
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あなたはセールスコピーライティングにおけるキャッチコピーの最重要ポイントをどこにおいていますか?
人によっては“共感”かも知れません。あなたがもしも有名人や専門家なら“権威性”と答えるかも知れません。ずば抜けた実績があるなら日数や金額などの“数字”を大きく打ち出したいとお考えかも知れません。
普通はこうした材料の中でもひときわ強調したい部分を抜き出してキャッチコピーにします。ただ、材料が凡庸だと、あまりにも普通過ぎるコピーが誕生する場合があります。
そんな時に効果的なのが読者に“アドバンテージ”を持たせるという方法です。 基本的に精読率というのはどんな優秀なセールスコピーでも折れ線グラフで表現すると右肩下がりに推移するということ。ページを開いた瞬間の画面の精読率はどんなセールスレターでも100%です。その数値よりも追伸の精読率が高くなることは現実的に考えてありません。
では常に100%と表示されるヘッド、キャッチコピーを変えただけでなぜ精読率、成約率が飛躍的に伸びたとわかるのか?
というとグラフの動きです。右肩下がりのグラフの傾きが修正後なだらかになるイメージですね。どうしてそのように変化していくのかと言うと、
・キャッチコピーで表現した“アドバンテージ”が蓄えとして働き、後の文章を読ませる ・キャッチコピーが後の文章の執筆内容を誘導する事で、全体的に魅力あるセールス文になっている |
この2点によるところが大きく成約率に影響します。では早速“アドバンテージ”の操作についてご説明していきましょう。実際のフレーズはクライアント案件により開示できないため、その案件の改善に相等する代替例を挙げたいと思います。
この方法については徹底的なリサーチをした上で使用して下さい。執筆者のモラルが問われる場合があります。
キャッチコピーを修正する事で成約率が改善される事例
【ダイエットについてのキャッチコピーの一文:共感】
「甘いものが大好きな私が…」 |
など、こう言ったフレーズはよく見かけることかと思います。これは共感を呼ぶ一文です。では次にアドバンテージを持たせるヘッドです。
【ダイエットについてのキャッチコピーの一文:アドバンテージ】
「激しい運動のできない臨月の妊婦でもやせられた…」 |
上記のようにヘッドに、読者よりもダイエットが成功しにくい条件を盛り込むことで大きく成約率に変化があらわれました。また、この方針の改善は、
・「挑戦」より「克服」の意味合いが強いノウハウであるほど…
・何度も挫折を繰り返していることが予測される場合であるほど…
・競合の大半が共感にフォーカスしている場合であるほど…
・読者の性質が疑り深く、「執筆者のファン」になりにくい案件であるほど…
功を奏する傾向にあります。流れとしましては、
【改善前】
キャッチコピー「甘いものがやめられない私が…」 |
前記した例に置き換えるとこのような形に置き換えられます。これを…
【改善後】
キャッチコピー「激しい運動のできない臨月の妊婦でもやせられた…」 |
※実例ではなく代替例です。安全面のリサーチをしていないのでそのまま使わないでください。
読者を心理的優位に立たせ、惹きつける
お気づきかと思いますが、全てのパーツで、大半の読者が有利になる内容になっています。
「食べるのをやめられない、運動は続かない」この理由自体は読者、モデル共に変わりません。異なるのは理由が「意志であるか、何らかの理由であるか」です。
この違いを利用することによってセールスコピー全体の精読率が飛躍的に向上します。キャッチコピーのライティング前の段階で今よりももう一段階深堀りしてアイデアを出してみてください。
誤解のないように付け加えておくと、私も“共感”はとても大切だと思っています。しかし大切であると同時に使い方や説明が足りないと自ら落とし穴を作ってしまうのも事実です。
【1】 「甘いものはやめられないけど運動は好きで毎日体を動かしている」 「でも痩せられない・・・なぜ?」 【2】 |
こう考えている人の9割は【改善前】のセールスコピーを最後まで読むことはありません。
なぜなら100%の共感を得る目的で作られたセールスコピーで100%の共感が得られなかったからです。しかし、はじめから悩みや壁の位置づけをズラしておくことによって、共感のポイントが逸れても大きな問題にはならなくなるのです。
このノウハウは「自己啓発」「体の悩み」の2つの分野でしかテストをしていませんが、競合とは全く切り口の違ったものになっておりどちらも改善後、飛躍的に売上が伸びています。これからさらに幾つかの分野で検証していきますが、おそらく多くの分野で極めて有効な切り口となるでしょう。ただこういった類のノウハウは浸透しはじめると急速に一般化が進みますので今のうちに執筆に取り入れ成果を確認して頂きたいと思っています。
まとめ
いかがでしたか?
今回のような改善はいわゆる「コンプレックス系」全般で使える手法になります。セールスコピーライティングの世界で「共感」は最高レベルの武器ですが、このジャンルに限っては共感よりも「優越感」や物理的に「優位な立場」にいるという安心感がダントツで強いです。
コンプレックス系のジャンルでライティングする際は参考にして頂ければ幸いです!