文章がどういう訳かスムーズに書けない。
もしくは声に出して読んだ時に妙な違和感がある。
書きたい内容を全て反映させると文章のまとまりが崩れる。
そんな経験はありませんか?
この時、考えられる主な原因は2つ。『語尾が前文と被っている場合』と『言葉が行方のない物事を指している場合』です。まず語尾が前文と被っている場合についてご説明していきます。
1・こういう事情があって○○します。 2・なので私は○○します。 3・だからこそ○○を可能にします。 |
問題がわかりやすいよう極端な例文となっています。
何かおかしいですよね?
もっとわかりやすい例を挙げると、
1・こういう事情があって○○だった。 2・だから私も○○だった。 3・こういった理由で○○だった。 |
これも1つ前の例文と同じ位置でバランスを崩しているパターンです。
もちろんテクニックとして語尾を被せるものもありますが、「なぜここでそのテクニックを使う必要があるのか?」を理解できていなければ、結局何を言いたいのか、何を伝えたいのかわからない意味不明なものになってしまう場合もあります。
どの語尾を変えると文章はスムーズになるのか?
では先に挙げた二つの文章の1,2,3のうち、最も語尾を変える必要があるのはどれか?あなたはわかりますか?
正解は2です。
なぜなら「します」は全て“行動”を指しているのですね。
つまりセールスライティングでこのような書き方をしてしまうと、行動に対して、著者がどのような理解を持っているのかが全く反映されない文章になってしまうのです。そしてもう一つ、「だった」は過去形となっています。
小説などで目にすることが多いかも知れませんが、文章の波が皆無のため、メッセージ性のある文章執筆には適していないですし、何よりも読者の目を止めることができません。では2つの文章をよりよく見せるにはどうすればいいのかをご説明していきます。
1・こういう事情があって○○します。 2・なので私は○○します。 3・だからこそ○○を可能にします。 |
↓
1・私は○○をします。 2・なぜならこういう事情から○○するからです。 3・その背景があるからこそ○○となりました。(~を可能にしますでもOK) |
これで文章の波が生まれるのがわかると思います。
もう1つの例も同じように、
1・こういう事情があって○○だった。 2・だから私も○○だった。 3・そのせいで全体的にも○○だった。 |
↓
1・私は○○だった。 2・なぜならこういう事情があって○○だったからである。 3・その結果、全体的に○○ということになる。(~になったでもOK) |
3の語尾に関してはケースバイケースですが2で変化を持たせれば“前文と被る”ということにはならないため綺麗な文章の形として問題ありません。
語尾を変えるだけで「淡々とした文章」から「表情のある文章」に!
いかがでしょうか?
もちろん○○の中次第では変換後の内容が使えないことも考えられますが、少なくとも語尾に変化を持たせるだけで淡々とした文章から脱却できる理由はお分かり頂けたのではないでしょうか?
1つ目の例の前者は1~3が全て“行動”を、2つ目の例の前者は1~3が全て“過去の描写”を指しているのに対し、後者は“行動”“理由”“結果”が1セットになっています。
これは映画が複数のカメラを使って撮影されたり、小刻みにシチュエーションが移動するのと同じような意味を持っており、1つの視点から延々と話が続いていくと、人間は刺激を感じにくいのですね。
つまり、ずっと行動だけを追っていると、その間、登場人物が何を考え、どのような経緯で1つ1つの行動を起こすことに繋がったのかが明確になりません。
それはセールスライティングでも同じことが言えます。
要するに、語尾が被ってしまって文章が綺麗に見えない時は、内容自体が不完全である可能性が非常に高く、根本的な部分に焦点を当てて推敲していく必要があります。
逆に言うと違和感なく語尾を散らすことができているということは、ひとまとまりの文章の中に多くの要素を含められていると考えられます。
ですからなぜか文章にまとまりがない、という悩みがあるなら、まずは自身の書いた文章の語尾を一度チェックしてみてください。大切な要素が欠落した文章になっていることに気づくきっかけになるかも知れません。
まとめ
いかがでしたか?
どうも自分が書く文章は無機質になってしまう…
そんな悩みがある方は意識的に語尾にバリエーションを持たせてみて下さい。