Webコピーライターの需要は年々高まってきていますが、その大きな理由の一つがコンテンツマーケティングが浸透してきている事にあります。
ユーザーが求めるコンテンツを書けるコピーライターは今や、モノを売る事に長けたセールスコピーライターと同等かそれ以上に重宝される存在です。
これからWebコピーライターとして活動していくのであれば、まず間違いなくコンテンツ制作のスキルは必須になってきます。なので今回はコンテンツライティングを習得する上で不可欠なコンテンツマーケティングそのものに関する内容をご覧頂きたいと思います。
なお、一応Webコピーライターのためのブログではありますが、今回の内容はコンテンツマーケティングに関する知識全般についてまとめているため、ライター以外の方にもお役立て頂けると思います。
この記事を読めば、大体コンテンツマーケティングに関する基礎的な情報はインプットできるので、少し長いですが最後までお読み頂けると嬉しいです。
Contents
- コンテンツマーケティングとは何なのか?
- ユーザーは広告に疲れている
- コンテンツマーケティングの概要
- コンテンツの種類について
- トリプルメディアとは?
- 3つの伝え方の変化
- 従来型マーケティングとコンテンツマーケティングの違い
- オウンドメディアの登場によって変わった宣伝活動
- 大企業もコンテンツマーケティングに続々参入開始
- なぜ今コンテンツマーケティングが有効なのか?
- FMOTという考え方
- ZMOTという新発想
- ZMOTに沿ったコンテンツとは?
- 「コンテンツ」と「広告」
- 「一言」も言わせてもらえない発信者
- 相手に寄り添い喜ばれるアプローチを
- 良い人で終わらないように
- 結局のところコンテンツとは何なのか?
- コンテンツファーストという考え方
- 新しいコンテンツ制作の手掛け方
- 自己満足で終わらせるのはNG!
- コンテンツのリサイクル
- 覚えておくべき3つのプロモーション手法
- 集客した来訪者を販売へと結びつける
- 集客フェーズを理解する
- 育成フェーズは質が大事
- 後押しフェーズは慎重に
- オウンドメディアでのブランディング
- ブランドジャーナリズムの目的
- スルーザラインを目指して
- オートメーション化の必要性
- 他のコンテンツと差別化するカギは?
- マーケティングオートメーションツールの導入時期について
- まとめ
コンテンツマーケティングとは何なのか?
これからコンテンツマーケティングを学んでいくにあたり、まずはコンテンツマーケティングとは何なのか?その概要を理解してもらいたいと思います。
コンテンツマーケティングとは広告主体だった従来のマーケティングとは異なる新たなネットマーケティングの概念です。では、なぜ広告主体だったマーケティングよりもコンテンツマーケティングが注目され始めているのでしょうか?
それは純粋に広告主体のマーケティングに限界が来ているからです。既にリスティング広告の単価は限界まで高騰し、とりわけビッグキーワードと呼ばれる検索数の多いキーワードでは、中小企業・個人は入札するスキさえない程です。
ユーザーは広告に疲れている
またネットユーザーの広告疲れも一因に挙げられます。
インターネットが普及する以前と比べ現在は納得のいく情報を自分で検索し、あるいはブログやSNS等のアーンドメディアを利用して自らの目や耳、感覚で確かめようとするユーザーが大多数を占めます。
だからこそセリングとは異なるコンテンツを戦略の中心に据え、ユーザーのニーズに応える事で関係性を維持し、最終的に利益に結び付けるマーケティングが世界的に注目されはじめているのです。
コンテンツマーケティングの概要
それでは、コンテンツマーケティングの概要をまとめます。
コンテンツマーケティングは価値のあるコンテンツを提供する事で、ユーザーのニーズに応え、ファンとして定着させる事を目的としたマーケティング施策です。 この一連のアクションの中で特に重要なのは3つ。
1・ユーザーにとって有益なコンテンツを提供する事
2・顧客との良好な関係を作るという事 3・顧客をファン化させる事 |
この3つの重要なポイントを満たす為のマーケティングプロセスを構築する為の概念をコンテンツマーケティングと理解すると良いでしょう。
つまりコンテンツマーケティングとは「コンテンツを通して自分の存在を認知してもらう所」からスタートし、「あなたのファンとして商品やサービスを手に取ってもらい、その後も良好な関係を継続させる事」をゴールとする取り組みであり、具体的に定められた手法を指すものではありません。
商品や顧客属性が変われば適切なコンテンツも変わる、という事です。 その為、実践に関して「これだけでOK!」というマニュアル化されたカリキュラムが確立されていませんが、逆に言えばコンテンツマーケティングの基本をしっかりと学び、商品や顧客属性にあわせた適切なコンテンツを扱えるようになれば、それはマニュアル化する 事の出来ないスキルを身につけた貴重な人材になれるという事を意味します。
「コンテンツ・イズ・キング」 この言葉が示す通り、コンテンツマーケティングに関する知識やスキルは今後、必ず重宝する筈です。
コンテンツの種類について
基本的にコンテンツマーケティングの「コンテンツ」はこうでなければならないという制約はありません。つまり動画・音声・漫画・ブログ・メルマガ…何をコンテンツとしても間違いではないという事です。
ただ、それだと「このシチュエーションではどんなコンテンツが適切か?」「この顧客には…?」「この商品の場合はどうすれば…?」となってしまいますよね。
そこで理解しておかなくてはならないのがトリプルメディアという考え方です。
今の時代、コンテンツマーケティングを立ち上げる為には、この『トリプルメディア』について知っておかなくてはうまく立ち回る事は出来ません。
トリプルメディアとは?
トリプルメディアはペイドメディア、オウンドメディア、アーンドメディアの総称で、各メディアの特徴は以下の通りです。
◆ペイドメディア
マス媒体(テレビや新聞、雑誌、ラジオ等)やウェブサイト上のディスプレイ広告など、広告料を支払う事により利用できるメディアの事。広範囲への宣伝効果が見込める。
◆オウンドメディア
ウェブサイト、FacebookやTwitterなどの自社アカウント、メルマガ配信など、自社で所有し、運営、管理しているメディアの事。情報発信が自らの手でコントロールできる。
◆アーンドメディア
ニュース番組や新聞、雑誌に取り上げられることや、生活者が書いたブログやSNS上のつぶやきから評判になり、注目されるようになるメディアの事。他のメディアと違い動向が読みにくい。
パソコンやスマホが誕生する前、広告の手段は圧倒的にペイドメディアが主流で、テレビCMや電車やバスの中づり広告で見せるような、より多くの人に一瞬で刺さるメッセージが求められてきました。
しかし、時代は変わりました。 一方通行だったメッセージの伝達をユーザーは容易に遮断する事が出来るようになり、逆に「必要に応じてユーザーが探す」時代です。ビデオレコーダーの登場でCMは飛ばされ、スマホの登場で通勤時も中づり広告に目をやる人はほとんどいません。今や「要らない情報は拒否でき、欲しい情報だけを取り入れる事ができる」のです。
そこで、大量の情報を段階的に伝える方法が求められることになりました。
3つの伝え方の変化
主な変化は以下の3つです。
■[従来は…]一方的に相手にメッセージを伝える割り込み型
⇒[現在は…]話の前後に脈絡を付けてメッセージを伝える物語型 |
■[従来は…]認知獲得のみを目的として考える ⇒[現在は…]情報提供を付与して、認知獲得を図る |
■[従来は…]瞬間的な情報伝達で良しとする ⇒[現在は…]継続的な情報伝達を重要とする |
ユーザーに求められているのは「単なる売り込み」ではありません。
ユーザーが欲しいと感じた時に適切に表示されるメッセージであり、このメッセージこそ最良のコンテンツです。その伝達手段を身に付ける事がイコール、コンテンツマーケティングを身につける事だと考えて下さい。
従来型マーケティングとコンテンツマーケティングの違い
おそらく今はまだ「コンテンツマーケティングについて何となくは分かってきたけど、まだぼんやりとしか理解出来ていない」という状態だと思います。
なので、ここでは事例をあげてご説明していきますね。
まずは前回お話したコンテンツマーケティングと従来型マーケティングとの違いに関するおさらいですが、今まで宣伝方法自体が限られており、企業が世間に対して宣伝活動をするにはテレビや雑誌等のペイドメディアを使う事が一般的でした。
つまり、ある程度の資金力が無ければ広く認知される事さえままならなかったのです。しかし、オウンドメディアの登場により、資金の少ない小会社どころか、個人でさえ、自らの裁量次第で情報発信、宣伝活動が出来るようになりました。
オウンドメディアの登場によって変わった宣伝活動
仮にあなたがスポーツチームのスポンサーになったとしましょう。
もし、テレビ放送したとしても、CMであなたの起業の広告を流すには莫大な費用が掛かります。
しかし、試合の様子や結果等、全ての流れをあなたの自社サイトで完結してしまえば、最小限の費用で済みますし、あなたのスポーツチームのファンが活用してくれます。
企業ではなくても、個人のサイトで一人の芸能人の一挙手一投足を速報で伝えるコンテンツサイトは人気ですし、熱狂的な野球ファンの人気ブロガーやゲーマーの攻略サイトもアクセスを集めます。
これまでは、人気番組のスポンサーになるなら人気番組の視聴者を、有名雑誌の広告に載せるなら有名雑誌の読者を広告費で買うという仕組みでした。しかし、今はコンテンツが魅力的であればお金をかけずとも、企業自らが情報を発信し、情報自体でユーザーを集める事ができるようになったのです。
大企業もコンテンツマーケティングに続々参入開始
例えば国内企業の資生堂。「資生堂のテレビCMを見た事がない」という人はあまり居ないのではないでしょうか?
それくらい頻繁にCMが流れていたように思います。
このCMがトリプルメディアの中のどのメディアに属するか? もうお分かりですよね。ペイドメディアです。つまりテレビCM一辺倒の戦略=従来型マーケティングだと言えます。
そんな資生堂が立ち上げたのがBeauty&Coというオウンドメディアです。このメディアでは美と健康に関する多くの専門家による多面的な情報共有が行われています。
つまり「TV番組というコンテンツを求めるユーザーにCMという形で割り込む」のではなく、「自社のメディアそのものを美と健康に関するコンテンツとしてユーザーに届ける」という所に大きな違いがある訳です。
さて。これまで企業をはじめ、「情報発信をする側」の変化について説明してきましたがご理解頂けましたでしょうか?
それでは次は消費者サイドの視点からコンテンツマーケティングについて見ていきましょう。
なぜ今コンテンツマーケティングが有効なのか?
ここでは消費者視点でのコンテンツマーケティングについてお話していきますね。
あなたは、ネット検索をどのくらいの頻度で活用しますか?今やPC・スマホ保有者の8割以上が「1日1回以上は検索エンジン」を使用するそうです。
もう私たちの生活では当たりの前の行動となったネット検索。しかし、一つ疑問が残ります。 私たちには以前より多くの情報が入るようになりました。
テレビの情報や通勤時、雑誌だけでなく、スマホやPCから大量の情報が流れてきている筈です。それはもう、情報オーバーロードと言われる程、人が通常では処理できない情報量を毎日のように浴び、無意識のうちに取捨選択している状況だと言えます。
なのに、わざわざ検索してまで新しい情報を求めているのは何故か?
それは、本当に必要な情報が足りていないからです。
あなたも経験がありませんか?大量宣伝されているペイドメディアを頭の端に覚え、後からもっと良い物を探してネット検索をした事が。
ユーザーに求められる情報発信こそ、コンテンツマーケティングの真の狙いなのです。
FMOTという考え方
今まで、消費者の購入決定を大きく左右するのは店頭だと考えられていました。この事をFMOT(First Moment of Truth)と言い、Googleが2011年に提唱した考え方です。 この流れを3段階で表すと、
- きっかけとなる刺激を受ける(テレビCM、雑誌などの紹介)
- 店頭を訪れ商品を購入する
- 購入後に商品を使う
となります。
過去にあなたもテレビで見た商品を買いに行ったのに、『只今セール中』の文字が目に入り、関係ないものまで買いこんでしまったという経験はありませんか?
全てのステップが購買意欲を刺激する上で重要なのですが、最後の決め手はやはり店頭というのが従来の考え方でした。
ZMOTという新発想
しかし、インターネットの普及により消費者の考え方も如実に変化してきています。
今でも店頭の重要性は変わりません。しかし、消費者の行動様式に変化が表れ始めました。
とりわけ変化が分かりやすく確認できるのが『購入前の情報収集』の段階です。
・失敗したくない
・なるべく悪いものを買いたくない
・何より、不景気だから無駄な出費を避けたい
という思いから、積極的な購買行動は避けられるようになり、購入を出かけてから決めるのではなく、ウェブサイトで事前に調査し、得た情報で購入を決定してしまうゼロの行動。
これを『ZMOT』(=ファーストモーションの前の行動)と位置付けました。
今後の情報提供は、いかにZMOTの段階で興味を惹かせられるかが重要になります。
ZMOTに沿ったコンテンツとは?
ではZMOTに対して適切なコンテンツとはどのようなものでしょうか?
ZMOTは、消費者がメディアなどで刺激を受け、その商品が本当に購入に値するかどうか、レビュー・口コミなどを見て幅広く調査している段階です。
ですから、ここでいきなりセールスをかけるのはうっとうしい販売員と同じです。
大切なのは、相手のペースに合わせる事。情報収集行動をサポートする姿勢で寄り添いながら、情報提供をしてみましょう。
「他にもこんなものがあります」という代替案を見せるのも優秀な情報ソースとして高評価に繋がります。
それでは次はコンテンツマーケティングの「コンテンツ」とはそもそも何なのか?
そこを深堀りしてお話したいと思います。
「コンテンツ」と「広告」
ここで質問です。
あなたがよく遊びにいく繁華街の広告看板。
掲げられている企業や内容について、どれだけ覚えていますか?
おそらく、目印になるくらい目立つ大きな看板の広告以外は分からないと思います。
何回も目を向けている筈なのに覚えられない看板たち。その一つ一つに広告費が掛けられており、その費用は数十万円~数百万円以上するものまであります。決して安いものではありません。
夜の街をきらびやかに光らせる広告の数々も、スマホを片手に下を向く現代の人たちには見向きもされず、ただお金と電力を垂れ流すだけの木偶に過ぎないのです。割り込み型の広告が意味をなさない時代。
大切な事は無意味な広告費を出さないように新しい手法を身に付ける事です。
「一言」も言わせてもらえない発信者
マスメディアを使って行われている広告の数々。
これらは、視覚的には入っていても脳的には受け流されている可能性が非常に高いです。
これまで、宣伝者から一方的に時間的・空間的に割り込んで情報を伝える方法はとても強力でした。なぜなら、情報をシャットダウンする方法がそれほど多くなかったからです。
しかし、今はほとんどの人が一方的な情報をシャットダウンする手段を持っています。
その一つが「スマホ」です。テレビの視聴中、CMになればスマホを見て、外出中も広告の方など目もくれません。
若者が集まる待ち合わせ場所を観察すると、スマホとにらめっこする人だらけという面白い光景が見られます。たとえ、移動中に広告を目にしたとしても、入る情報は断片的なものにすぎませんので、宣伝効果はもちろん期待できません。
今までは限られた時間内にワンメッセージで伝える広告手法が効果的だったのですが、その時間さえ確保できない現在、従来の広告手法ではたった一言さえも伝える事が困難な現実があるのです。
ではどうすればいいのでしょうか?
相手に寄り添い喜ばれるアプローチを
従来の広告は、企業が伝えたい事を相手に売り込む一方的な方法でしかありませんでした。
しかし、コンテンツマーケティングはそうではありません。
情報を求めている人に対して適切なコンテンツを提供し、信頼関係を構築していきます。「企業が伝えたい事」と「ユーザーが知りたい事」のギャップをユーザーに満足してもらえるコンテンツで穴埋めするサポート型のコミュニケーションを行います。
良質なコンテンツの提供と、健全なサポートを行っていけば、最終的に販売活動を行っても喜ばれます。
それと同時に気をつけなくてはならない事もあります。
良い人で終わらないように
「なぜ、コンテンツマーケティングを行っているのか?」 これを忘れてしまうというケースが良くあります。
コンテンツマーケティングはいきなり売り込むのが厳禁というだけで、最終的には売り込む事も必要です。
自分のサイトを認知してもらいたかったり、アクセスを集める為のきっかけ作りとして行う場合もありますが、期が熟した時に背中を押すきっかけを与える事も重要なコンテンツですので、覚えておいてください。
結局のところコンテンツとは何なのか?
コンテンツがどういうものか頭では理解していても、「ところでコンテンツって何?」と改めて聞かれるとなかなか上手く説明しにくい所があるかと思います。
なのでこう覚えて下さい。
コンテンツとは、「人にとって価値のある情報を持つひとまとまりのもの」を指します。
分かりやすく言うと、
・歌手にとっての歌
・漫画家にとっての絵
・芸人にとっての漫才
これらも、大きな括りで言えばコンテンツです。
マーケティングにおけるコンテンツの場合は、『伝えるべき情報』を意味します。
ですから、ユーザーに上手く伝わらなかったり、情報として不足感のある内容では、どんなに苦労して作った紹介文でも、長い時間をかけて作った動画でも不十分です。より伝わる情報を突き詰める事こそがコンテンツマーケティングが追求する有益なコンテンツを生み出す唯一の術だと言えます。
そして、コンテンツ第一という考え方はウェブサイトの制作ワークフローにも大きな影響を及ぼしました。この事についても言及しておきましょう。
コンテンツファーストという考え方
かつてウェブサイトの制作は、ほぼ決まった画面サイズにのみ対応すれば良かったので、はじめにデザインやレイアウトを決め、コピー枠にテキストを流し込む方が効率的だという考え方でした。
しかし、最近ではスマホやタブレット等、閲覧するデバイスの多様化により、画面サイズの見せ方にも柔軟性が求められるようになりました。
デバイスのサイズによって見え方も異なるので、先にコンテンツを固め、後からデザインをする方が主流となった今では文字数の縛りが外れ、必然的にコンテンツの重厚さが求められるようになりました。コンテンツファースト時代の到来です。
新しいコンテンツ制作の手掛け方
コンテンツファースト型の制作フローの方が、一般的なウェブ制作フローよりも実は効率が良いのです。
今までは、サイト設計をした後にデザインが決められ、その枠組みや文字数内で伝えたい事を書かなければいけないので、言葉足らずになったり、上手く伝わらないというジレンマがありました。
しかし、コンテンツファーストの考え方は、「誰に何をどうやって伝えたいか」をしっかりと熟考し、適切な文字数や適切な見せ方で相手に伝える事ができます。
デザインカンプ(Webサイト制作の完成見本)はコンテンツが確定してからでは不安になるかもしれませんが、コピーが完成していないところでデザインやフレームが完成しても、空箱を見ているようなものですので何の意味もありません。
しっかりと伝えるべきコピーが完成し、無駄な修正を省けるコンテンツファーストの制作フローの方が、メリットがあります。
では次はコンテンツ制作において陥りがちな失敗についてお話します。
自己満足で終わらせるのはNG!
あなたが自己満足の為だけにサイトを運営し、コンテンツを配信するのなら、ただただ質の高いコンテンツを提供し、ユーザーの喜ぶ情報のみを発信し続ければいいでしょう。
しかし、それだけではあなたのサイトの認知度は上がりませんし、閲覧数は増えません。
コンテンツをウェブサイトに掲載したら、その存在をアピールする必要があります。
どんなに良質なコンテンツを作ろうと、誰もその存在を認知していないのなら「作っていない」事と全く変わらないのです。せっかく作ったコンテンツなのですから、自己満足で終わらせず、しっかりとプロモーションをかけていきましょう。
コンテンツのリサイクル
一つのコンテンツを作るには多くの時間とコストが掛かります。
しかし、一つ作ってしまえば、あとは色々なフォーマットを利用して見せる事が可能です。
例えば、メルマガを制作した場合、そのコンテンツ内容をブログに掲載したり、テキストを読まない人向けに動画やインフォグラフィックで配信したりすれば、1つのコンテンツのみで倍以上のアクセスを見込めるようになります。
覚えておくべき3つのプロモーション手法
以前紹介したトリプルメディアの考え方は、このコンテンツプロモーションでも有効です。
保有するアドレスリストや自社SNSアカウントのフォロワーなど、既に関係性のある読者に対して新しいコンテンツを告知する戦術
◆オウンドメディア
・起業アカウントのソーシャルメディア
・Eメール
比較的ローコストでプロモーションが可能です。
メルマガ配信をしているのであれば、そこで新しいコンテンツの概要を紹介するのも有効です。また、TwitterやFacebookを使って新規コンテンツの要約版などを拡散する事もできます。
広告等の有料サービスを利用して、幅広い層に自社コンテンツを告知する戦術
◆ペイドメディア
・ネイティブ広告
・プレスリリース
今の時代、CMよりも確実かもしれないネット上のペイドメディアは、資金に余裕があるのなら初期段階で使用した方が効果は絶大です。
ただし、コンテンツの内容に自信がある事を前提に使用する事をお勧めします。
他のメディアに取り上げられることにより、他メディアの読者に対して自社コンテンツを告知する戦術
◆アーンドメディア
・メディアへの記事寄稿
・インフルンサーとの接触
このプロモーションは他の2つの手法に比べて少し特殊です。ニュースサイトやメディア向けにアレンジした資料を作成したり、自社の商品やサービスを紹介してくれているブロガーに新しいコンテンツをいち早く提供するといった方法です。
また、商品によっては業界内で影響力のあるサイトに寄稿し、新しいコンテンツへのリンクを貼るという手段もあります。 個人で始める場合は、ローコストで始められるオウンドメディアでのプロモーションが一般的ですが、資金力があり、コンテンツ内容にも自信があるのなら初期段階でペイドメディアを利用するのも良いでしょう。
人脈があり、人気ブロガーなどの知り合いがいるのなら、アーンドメディアでリンクを貼らせてもらったり、さりげなく紹介記事を書いてもらえれば最高の後押しを頂けるでしょう。
集客した来訪者を販売へと結びつける
コンテンツマーケティングには販売に結び付ける為の3つの工程があります。
- 1・集客を目的とした集客フェーズ
- 2・集客し、興味を持った訪問者を育成するフェーズ
- 3・商品に興味を持ち、購買を考えている見込み客を後押しするフェーズ
この3つが成り立って、初めてコンテンツマーケティングは威力を発揮します。
自社の商品やサービスを、独自運営のサイトで販売するといったECサイトでもない限り、見込み客が企業のウェブサイトを訪れる可能性はあまりありません。
訪問者の多くは購買検討にいる段階であったり、比較検討を行うために様々なサイトを巡っている途中である事が考えられます。
ですから、ここからは集客した訪問者を段階的に購買へ結びつけるためのコンテンツ戦略が重要になります。
集客フェーズを理解する
この段階で重要なのはより多くの目に留まり、関心を持って頂く事です。
その為に最も適した手法で、着手しやすいのは『ブログ』です。ブログなら、幅広いテーマでコンテンツを用意する事ができ、解決策を検索している生活者に最適な記事を見つけてもらう事も出来ます。
また、商品に関連した役立つ情報が豊富に揃ったブログを用意しておけば、一度訪問した人がファンとなり、情報ソースとして活用してくれるようになります。
さらに、発信するコンテンツの反応を見ながら今後の方向性を決めていくことも可能です。
プロモーションの事を考えても、コンテンツをより見つけやすくするためにソーシャルメディアを使って拡散できるブログは、後々の事を見据えてもかなり有効です。
育成フェーズは質が大事
集客フェーズで自分の中の隠れた欠点や困り事を知った生活者は、それを解決する為の商品に興味を持ち始めます。
ただ、彼らはまだその商品に「興味・関心を持った」という程度です。ここでグイグイ解決策の商品を販売してしまうと生活者の購買意欲は削がれます。
でも、あまりにもアプローチが少なすぎても他の情報ソースにアンサーを求め、離れていってしまいます。
このフェーズで大切なのは、ある程度のボリュームがあり、説得力の高いコンテンツです。
購入者の声やケーススタディ等を上手く使い、生活者が求める情報と合致したサービスを提供しましょう。
後押しフェーズは慎重に
商品やサービスに興味を持ってくれた見込み客は、他に同様の商品やサービスがないか、比較検討を行います。ここで重要なのが、他社の商品と差別化してもらうための情報を提供する事です。
「○○の選び方ガイド」、「製品情報の詳細」、「無料お試し版コンテンツ」を提供するのが効果的です。
販売促進も、あくまで背中を押す程度。最終的な決断は相手に委ねる事が重要です。
オウンドメディアでのブランディング
コンテンツマーケティングの手法の一つにブランドジャーナリズムがあります。
ブランドジャーナリズムとは、企業自身が自社をアピールし、世間に発信していくという活動です。
今までは外部メディアに取り上げてもらうしかできなかった自社アピールが、オウンドメディアを使う事によって可能になって以来、企業としての施策や活動などをウェブサイトで発信する活動が増えています。
ブランドジャーナリズムの目的
ブランドジャーナリズムもコンテンツマーケティングの1つです。
しかし、販売目的のコンテンツではなく、あくまで企業やブランドに対する認知度や共感を生み出し、顧客との関係性を深化させる事がPRやブランディングにあります。
ブランドジャーナリズムの場合、企業の情報をリアルタイムで発信していく訳ですから、安易に取り組むと信用性を損ねる恐れがあります。
大企業ともなると、報道機関並みのスタッフを揃え、莫大な予算を投資してブランディングを行っています。
スルーザラインを目指して
自社の認知度を高める為のブランドジャーナリズムと販売を目的としたコンテンツマーケティング。
この2つを上手く連携させる事ができれば、マス広告を主体としたコミュニケーション手法である「アバブザライン」、そしてそれ以外の販売促進活動「ビローザライン」を一貫して行うPR活動「スルーザライン」が実現できます。
従来は、アバブザラインとビローザラインは、別々の会社が担当し、分けられて考えられる事が多かったのですが、これを1つの会社がまとめて行う事ができれば更なる宣伝効果が期待できます。
オートメーション化の必要性
質の良いサービスを行うにはそれなりの手間がかかります。
しかし、一人一人が求めるような情報提供の仕方をネット上で行っていてはキリがありません。
ましてや、コンテンツマーケティングでは見込み客でもない来訪者から始まり、そこから興味付け、教育というステップを相手に合わせて行ってなどいられませんよね?
そこで必要になるのが、マーケティングオートメーションです。
これは見込み客を獲得し、それぞれの見込み客別に設定したコミュニケーションシナリオを自動で実行する事により、見込み客を育成し、最終的に購買へと結びつける過程を管理、支援するソフトウェアを使用して行われます。
◆代表的なマーケティングオートメーションソフトウェア
・Oracle B2B Cross-Channel Marketing(Oracle社)
◆オートメーションソフトウェアを選択する基準
選択基準となるのは、コンテンツマーケティングを行う上で、
・Known=顧客と連絡が取れる状態(登録等を済ませ、名前やメールアドレスが分かっている)
・Unknown=顧客とまだ連絡が取れない状態(ウェブサイトに訪れただけの来訪者)
この2つのうちどちらの情報を重要視するかによって決まります。
他にも金額や扱いやすさなど判断要素は色々ありますが、一番注目すべき点はここでしょう。
他のコンテンツと差別化するカギは?
多くのマーケティングオートメーションツールは、Knownを扱う事を重視して作られています。ですから、会員登録して頂けるまでのステップに辿り着かなければ、どの企業のツールを使ったところでそこまで大きな差はありません。
Unknownの状態の顧客にどこまで良質なコンテンツを出し続け、登録へのステップに辿り着かせる事ができるかが重要になるでしょう。
マーケティングオートメーションツールの導入時期について
「もしかして有料のツールを導入しなければコンテンツマーケティングは実践出来ないのか?」という点に関して補足します。
コンテンツマーケティングをスタートさせる上で、マーケティングオートメーションツールがなければならない、という事ではないのでご安心下さい。あくまでソフトウェアはマーケティングの効率化に使用されるものであり、仕組みを構築する為に必須という事ではありません。
ただしあなたの手掛けるコンテンツマーケティングが順調に機能すれば将来的に導入を検討するタイミングは訪れるでしょう。
その時の為の予備知識として頭の片隅に留めておいて下さい。
まとめ
いかがでしたか?
コンテンツマーケティングに関する知識を深く掘り下げると本当にキリがありません。
それ位奥が深く、完全に理解する事の難しいマーケティングではありますが、確実に積極的に学ぼうとする価値はあります。
あなたがコピーライターだとしても、販売者だとしても、必ず今後役に立つ知識ですので是非、今回の内容を覚えておいて頂けると幸いです。